[3.31 J1第4節 F東京0-1広島 味スタ]

　開幕4連勝を目指して、攻め続けてFC東京にとって、不本意な一戦となった。

「負けた気がしない」とDF加賀健一が言えば、GK権田修一も「ポカーンとした不思議な感じ」と試合を総括する。ボールポゼッションで相手を圧倒しながら、FP9人が守備を固めた相手から得点を挙げることができずに、0-1で敗れた。

　だが、ランコ・ポポヴィッチ監督が就任して、縦パスを入れていくことでゲームの流れをつくっていくF東京の狙いが、研究されていたのも事実だ。サンフレッチェ広島の森保一監督は「スペースを与えると後手を踏み難しくなるから、コンパクトにブロックつくって守備しよう。ブロックの中に入ってきたら対応しよう」と指示を出していた。MF青山敏弘、MF森﨑和幸のダブルボランチは、縦パスを警戒し続け、中央からの崩しを許さなかった。

　今季初スタメンのMF田邉草民は「展開が流動的ではなかった。僕とヒデくん(高橋秀人)の2人がボールを回す形になってしまっていたので、もっとどちらかが前に行き、もう一人が回すような役割分担ができればよかった」と唇を噛む。また、後半20分から今季初出場したMF大竹洋平も「うまく縦パスが入らなくて、攻撃のスイッチを入れることができなかった」と悔しがる。

　終盤にはFW平山相太とFW渡邉千真が、そろってピッチに立った。しかし、クロスを上げることができずに、高さという彼らの武器を生かすこともできないまま、試合終了のホイッスルを聞いた。

「今日はシュートが少なかったし、CKまで行かなかった。今日のように攻撃を放棄したチームと戦うときは、セットプレーを多く取れればチャンスになるけれど、最後まで行く回数が少なかった」と権田は振り返る。実際にボールを支配していたが、シュート数は7本と決して多くない。

「もっと攻撃のバリエーションを増やさないと。2タッチとか3タッチしていた局面で、1タッチのパスを入れるとか、ワンツーとか、もう少しスピード感を出せればよかったと思う。もう少し大胆にプレーできれば良かった」とDF太田宏介は言う。

　この試合を研究材料にし、今後他クラブも守備を固めてくる可能性はある。権田は「そのときに(守備を)ぶち破れるようにしないと。この1敗を機に修正したい。昨年のレイソルは連敗しなかったから優勝できたと個人的に思っているので。内容が悪くても結果が出せるように、次の試合(4月4日・ACL北京国安戦)まで短いですが修正したい」と、前を向いた。