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得意のFKの場面で…小林「蹴りにいけなかったことが恥ずかしい」

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[4.11 練習試合 U-23日本代表候補1-0仙台 ユアスタ]

 手応えと後悔が交錯した。U-23日本代表候補に初招集された19歳のMF小林祐希(東京V)。後半開始から出場し、MF山村和也とダブルボランチを組むと、積極的にボールに絡み、長短のパスでリズムをつくった。

「思ったよりもボールに触れた。縦パスを入れたり、裏へのパスも2、3本出せた。サイドチェンジもあったし、ある程度は入り込めたと思う。守備の連係や個人的な対応には課題も見えたけど、やっていて楽しかった」

 表情には笑顔も見え、充実感をのぞかせた。後半3分、いきなりFW宮吉拓実へのスルーパスを狙うなど積極的にプレー。これはオフサイドとなったが、後半11分には自ら左足でミドルシュートも放った。

「パスはできたけど、シュートを打ちたかった。1本は強引にいったけど、あれも枠にいかないと。俺が点を取る意識でいたし、みんながそういう意識でやらないと海外の相手には勝てない。シュートを2、3本打っていたらやれたなと思えるけど、1本じゃダメ」

 そう反省した小林が最も悔やんだのが後半25分のFKのシーン。右45度の位置でFKのチャンスを得ると、すぐにボールのそばに立ったが、結局、あとから来たFW大前元紀が右足で蹴り、ゴール前へのクロスはDFのクリアに遭った。得意の左足で直接も狙えれば、ゴール前の味方に合わせることもできる絶好の位置だっただけに「後悔しています」と唇をかんだ。

「次は打ちます。後悔するのは嫌いなんだけど、あそこで自分で蹴りにいけなかったことが恥ずかしい。壁もフリーマンも変な位置にいたし、ニアに蹴ったら当たって入るかなと思っていた。どこででもFKは全部蹴るつもりでいないと。遠慮があった? それが恥ずかしいです。次はチャンスがあったら、今日より10m遠くても狙っていきたい」

 後悔もあったが、初めて参加した五輪候補合宿は想像していた以上に楽しかった。「人生の中でも最大の財産になる」という五輪出場への思いは高まるばかりだ。本大会まで合宿の機会はほとんどなく、アピールの場はJリーグしかない。小林の所属する東京VはJ2。J1の選手以上のアピールが必要になる。

「Jで結果を出すしかない。(監督が)試合を見ていなくても、数字で活躍していると思わせることも大事。常に得点者の欄に自分の名前が載るように。そういうところも意識していかないと、このメンバーにも入れないし、世界との差も開いていく」。そう力強く語った小林。おとなしい選手が多い関塚ジャパンではめずらしい“ビッグマウス”も、ロンドンで勝ち抜くためには必要な要素になるかもしれない。

(取材・文 西山紘平)

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