beacon

Fリーグ元大分・GK青柳「頭で考えるより、行って感じてきます」

このエントリーをはてなブックマークに追加
 08年に日本代表の一員としてブラジルで行われたフットサルW杯にも出場したGK青柳佳祐が、再びブラジルへ渡る。10日、バサジィ大分は契約満了に伴い青柳の退団を発表した。同時に青柳自身がブラジルに渡り、海外挑戦することも記されていた。

 Fリーグが開幕した07年、開幕戦のバルドラール浦安戦(2-4)で一際大きな話題を集めたのが、当時21歳のGK青柳だった。足下の技術が高い彼は、前線に出てパス回しにも参加した。試合終了間際にはPA内にスルスルとドリブルし、チーム2点目のゴールを演出した。当時、日本代表の監督を務めていたセルジオ・サッポ氏も「新しいタイプのGK」と絶賛し、その後の代表合宿に招集している。そして08年には、ブラジルで開催されたフットサルW杯にも日本代表の一員として出場した。

 大分でも存在感を示し続け、08年には20試合に出場し、GKながら2得点も挙げた。翌09年も26試合に出場して3得点を挙げ、10年も26試合に出場して2得点を記録している。だが、昨年は元日本代表GK定永久男の加入や、GK清家大葵の成長もあり、出場試合数が激減した。さらなる成長を求めて、ブラジルに渡ることを決めた。

 ブラジルへの憧れは08年のW杯のときから抱いていた。「ブラジルW杯に出てから『海外でやってみたい』、『海外のフットサルを学びたい』という気持ちは、もともとあったんです。Fリーグを戦う中でも、いろいろな経験を積むことができましたが、昨シーズンは試合にも出られなかったし、環境を変えようと思いました」と青柳は言う。最低2カ月~3カ月は現地のクラブで練習生としてプレーし、その後もオファーがあればブラジルでプレーを続けていく予定だ。

 周囲から見れば、思い切った決断だ。「リスクマネジメントも大事だとは思います。でも、自分の感覚でやればいけるかな。もっと成長できるかな、と思ってブラジルに行くことを決めました」と話す。

 FPにも劣らない足元の技術が特徴の攻撃的GKは、ブラジルで何を磨きたいと考えているのだろうか。

「自分にないものを求める部分もあります。でも、自分のプレースタイルは南米に近いかなとも思っていました。そういう意味では、長所を伸ばすこともできるし、短所も補える。いろんな意味で成長したいし、自分に足りないものを見つけることも、再確認できることもあると思います。だから、行く前から頭の中でこうしたいといろいろ考えるより、行っていろいろなことを感じて成長したい。シンプルにそう思っています」

 新たな自分を探しに、フットサル王国ブラジルへ渡る。再びFリーグでプレーする際には、きっとまた大きな驚きを見る者に与えてくれるはずだ。

(取材・文 河合 拓)

TOP