beacon

劇的勝利の鹿島・小笠原「勝ちたいという思いが出た」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[4.14 J1第6節 F東京1-2鹿島 味スタ]

 劇的な後半ロスタイムのゴールを挙げて勝利した鹿島アントラーズ。中盤で体を張ってピンチの芽を摘み、ボールを奪ってからは確実にボールをつなぐなど、随所に好プレーを見せたMF小笠原満男は、「勝ち点を取れない試合が続いていたので、今日1勝できて良かった」と安堵の表情を浮かべた。

 勝利から遠ざかっていたチームは、まず失点しないことを意識して試合に臨んだ。右サイドからMF遠藤康が前線へのパスでチャンスをつくったのに対し、左サイドの小笠原はバランスを取り続けていた。「しっかりボールを取ってからカウンターという狙い通りのサッカーができた。チームのためになるように考えてプレーしていた」と小笠原は自身の役割を振り返る。

 後半ロスタイムに決勝点を挙げた遠藤は、自身のゴールを「みんなで決めたゴール」と表現した。小笠原もチームの想いが出たゴールだと言う。「残り時間が少ないところで追いつかれましたが、そこでも勝ちたいという思いが、最後の(得点の)ワンシーンに出ていたと思う」。

 待望の初勝利だが、その喜びに浸るつもりは全くない。目指すのは、あくまでもタイトルだ。奇跡の大逆転優勝を決めた07年も、初勝利は2敗3分けで迎えた第6節・横浜FC戦(1-0)だった。そのシーズン途中にメッシーナ(イタリア)から復帰し、優勝の原動力となったベテランの言葉は重い。

「やっと1勝できましたが、勝ち続けないと意味がありません。上に追いつくために、これからも練習をしないといけない。得点の場面以外にもチャンスは多くありましたし、守備から攻めへの意識は良かったと思う。そういう手応えもありますが、このままの現状で良いということはない。もっとうまくできると思って、やっていきたい」。こう話した小笠原を中心に、ここから鹿島の逆襲が始まる。

(取材・文 河合 拓)

TOP