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今季初先発で1得点のF東京・大竹「結果を出したかった」

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[4.17 ACL第4節 F東京3-0北京国安 東京ス]

 初スタメンに燃えた。今シーズン、C大阪からFC東京に復帰したMF大竹洋平は、トップ下で先発出場すると効果的にパスを散らし、攻撃を組み立てた。「これまでは(ベンチ入りの)メンバー外になることもあった。それでも監督は『見ているから』と言ってくれて、モチベーションは高かった。今、実際にすごく調子が良くなったら監督は使ってくれた。だから結果を出したかった」と試合前の心境を語る。そして、1得点を挙げ、それ以外の場面でも多くのチャンスをつくり出した。

 今季、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の出場は初めてだが、C大阪へ期限付き移籍した昨シーズン、アジアの舞台を経験している。「良い経験になっています」と話すように、相手の激しい当たりにも動じることなくプレーした。

 開始5分、MF石川直宏からのパスを受けて前を向くと、FW渡邉千真にパスを通す。渡邉のシュートはGKに防がれたが、いきなり決定機をつくり出した。その後も同24分にもドリブルを仕掛け、再び渡邉にパス。同36分にも渡邉に縦パスを入れると、右SBのDF徳永悠平が反応し、渡邉からのボールを受けて縦へ仕掛けた。ドリブルが長くなったものの、流れるような攻撃に東京スタジアムは沸いた。

 前半ロスタイムには、復帰後初ゴールも挙げている。右サイドから渡邉が低いクロスを入れると、DFに当たって浮いたボールに反応した。「まさかヘディングで決めるとは。初めてですね。入って良かった」と笑う。

 後半に入っても大竹の動きは落ちなかった。高い技術を武器に、ゴール前の密集でも違いを生み出し、石川、渡邉らと連動してチャンスをつくり続けた。試合後は「自分の調子を見極めてくれて起用してくれた監督に感謝したい」と、ランコ・ポポヴィッチ監督への謝意を表した。指揮官も「今日だけではダメだ」と前置きをしつつ「梶山(陽平)が欠場してバイタルエリアで違いをつくれる選手がいなかったが、今日は大竹や(田邉)草民が良いプレーを見せてくれた」と、称賛した。

 大竹には、悔しい記憶があった。J1第4節の広島戦(0-1)では途中出場したが、流れを大きく変えることはできずに、チームはリーグ戦で今季初黒星を喫していた。「広島戦ではチームの駒になろうとし過ぎていました。監督はDFを一人はがす動きだったり、ゴールに直結するパスやドリブルといった個人技を期待していたと思います。それを鹿島戦では少し出せました。ただ、その試合は負けたので、チームとして修正する部分もあった。今日はそこも修正できて自分の良さを出せたと思います」と安堵の表情を見せた。

 それでも、満足はしていない。「思っていたより相手が前から来なかったので、もっと自分たちのサッカーができないといけない。点を取ってから、安全に試合を進めようとしてしまったと思う。相手のイヤなことをもっとやれていれば、3-0以上にできたと思う」と、東京に戻ってきた生え抜きMFは、さらなる高みを見据えた。

(取材・文 河合 拓)



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