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川崎F・風間監督初陣は4失点完敗…広島が等々力で12年ぶり勝利

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[4.28 J1第8節 川崎F1-4広島 等々力]

 J1第8節は28日、各地で9試合を行い、風間八宏新監督が就任した川崎フロンターレはホームでサンフレッチェ広島に1-4で敗れた。風間体制初陣は今季最多4失点の完敗で、公式戦連勝も2でストップ。広島は前半15分にMF山岸智の今季初ゴールで先制すると、川崎Fも同33分にDF伊藤宏樹が同点ゴールを決めたが、前半38分にMF石原直樹のゴールで勝ち越す。後半2分、33分にもFW佐藤寿人がゴールを決め、4-1で快勝した。3試合ぶりの勝ち点3を挙げた広島の対川崎戦勝利は05年4月23日以来、7年ぶり。等々力では00年3月25日以来、実に12年ぶりの勝利となった。

 公式戦2連勝中の川崎Fは前節・札幌戦(3-2)から先発4人を変更。本職はボランチの稲本潤一がCBで先発し、右SBには伊藤が入った。左SBではDF田中雄大が今季初先発。田中裕介がボランチに入り、MF中村憲剛とコンビを組む。システムは4-2-3-1で、2列目は右から小林悠、山瀬功治、楠神順平と並び、FW矢島卓郎が1トップを務めた。
 広島は前節の名古屋戦(1-1)と同じ先発メンバーで臨んだ。
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 スコアが動いたのは前半15分。広島は最終ラインのDF千葉和彦が前線の佐藤にくさびのパスを入れると、佐藤がMF高萩洋次郎とのワンツーからスルーパス。PA内左に抜け出した山岸が左足でゴール右隅に流し込み、先制点を奪った。

 ビハインドを負った川崎Fは反撃に出るが、なかなかフィニッシュまで持ち込めない。ディフェンスも不安定で、ゴール前でヒヤリとさせられる場面が続いた。それでも前半33分、ベテランの一撃で試合を振り出しに戻す。

 右サイドでボールを持った伊藤は中央の中村に預け、自らゴール前にダッシュ。中村からのリターンとなる絶妙なスルーパスが通り、ゴール中央から伊藤が左足ワンタッチでゴール右に流し込んだ。伊藤にとっては2009年8月30日の清水戦(1-1)以来、3シーズンぶりとなるJ1での得点。J1通算201試合目の出場で通算4点目となった“伏兵”のゴールで1-1の同点に追いついた。

 しかし、広島もすぐさま勝ち越しに成功する。前半38分、中央をドリブルで駆け上がった高萩のスルーパスに反応した石原が稲本と競り合いながらシュート。倒れ込みながら右足を振り抜き、ゴールにねじ込んだ。再びリードを許した川崎Fは前半44分、楠神のスルーパスから小林がGKと1対1の絶好機を迎えるが、シュートはGK西川周作がビッグセーブ。同点に追いつくことはできず、前半は1-2で折り返した。

 後半立ち上がりに広島が突き放す。後半開始2分、千葉からのロングフィードを田中雄が目測を誤り、ボールは右サイドでフリーのMFミキッチのもとへ。ミキッチの速いグラウンダーのクロスに反応したのは佐藤。稲本の前に素早く走り込み、左足ダイレクトで合わせた。

 3-1とリードを広げた広島は一気に勢い付く。後半4分、佐藤からのパスを受けた山岸が左クロス。稲本のクリアがクロスバーに当たると、同10分には高萩の右足ミドルもクロスバーを直撃した。4点目とはならなかったが、守備の安定しない川崎Fをたたみかけた。

 川崎Fは後半13分、山瀬に代えてMF田坂祐介を投入し、最初のカードを切る。田坂は左サイドに入り、楠神がトップ下に回った。しかし、流れは変わらない。広島は後半17分、山岸の横パスから佐藤が左足ミドルを放つが、惜しくも左ポストを直撃。同19分には田中雄をかわして右サイドをドリブル突破したミキッチの折り返しに石原が右足で合わせたが、またしてもクロスバーに弾かれた。

 川崎Fは後半24分、運動量の落ちた伊藤に代えてFW小松塁をピッチに送る。田中裕が右SBに下がり、田坂がボランチ。前線は矢島と小松の2トップとシステムも変更した。直後の25分には田坂の左FKに矢島が頭で合わせるが、GK西川周作が左手1本でセーブ。同31分には楠神に代えてFWレナトを投入し、最後のカードを切った。

 しかし、次のゴールも広島に生まれる。後半30分にミキッチに代えてDFファン・ソッコを投入し、森脇が右のサイドハーフにポジションを上げていた広島は同33分、その森脇が右サイドを駆け上がり、背後をオーバーラップしてきたファンに預ける。ファンの右クロスに佐藤がフリーでヘディングシュートを叩き込んだ。得点ランキングトップを走る佐藤の今季7点目で4-1とダメを押した。

 試合はそのまま終了。ナビスコ杯を含めても最近16試合勝利のなかった川崎Fから7年ぶりの勝ち点3を挙げた広島が、5勝1分2敗の勝ち点16にまで伸ばした。一方の川崎Fは監督代行を務めていた望月達也コーチのもと公式戦2連勝中だったが、風間新監督の初陣はほろ苦い結果となった。

(取材・文 西山紘平)

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