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大敗にも前向き、憲剛「下を向く必要ない」伊藤「もっと練習したい」

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[4.28 J1第8節 川崎F1-4広島 等々力]

 下を向くことなく、切り替えた。川崎フロンターレの選手たちは4失点完敗にも一様に前を向く。MF中村憲剛は「結果は1-4で、数字は派手だけど、下を向く必要はない。前を向いて、自信を持って、もっと練習していきたい」と力を込めた。

 風間八宏新監督が就任し、練習期間はわずか4日。本職はSBながらボランチで先発した田中裕介は「初めてなので、最初からうまくいくとは思ってなかった。守備の仕方も全部、一からやり直している。昔の癖も残っているし、それが攻撃でも守備でも悪い風に出た」と話し、右SBで先発した伊藤宏樹も「人の配置もほとんど練習していないポジション。言い訳にはできないけど、連係もこれからだし、チームとしてまだまだ。今日もやりながらと考えていた」と認める。

 いいところがなかったわけではない。ボールが回る時間もあった前半はチャンスもつくった。0-1の前半33分にはオーバーラップした伊藤が中村とワンツーの形でゴール前に進入し、自らフィニッシュ。2009年8月30日の清水戦(1-1)以来、3シーズンぶりとなるゴールを決めた。

「僕が点を入れたのはたまたまだけど、前に行くプレーについては練習でも(風間監督が)すごい言っている。みんながああいうプレーをできればいいと思う」。ボールを保持しながら前を意識し、後方からもどんどん飛び出す。“風間スタイル”が出た得点シーンでもあった。

「手応えは1、2割。でも、課題というより、もっと練習したいと思っている。ネガティブには考えてない。今までやってきたサッカーと全然違う。頭の切り替えができるかどうかだし、いい部分を伸ばしていきたい」。そう伊藤が話すように選手たちは意欲的だ。FW矢島卓郎も「試合の中でもチャレンジしながらだった。4日間しか練習してないけど、意識とか、やりたいサッカーは変わってきている」と手応えを口にする。

 田中裕は「もっとボールに触っていかないといけないし、全員でボールに触っていくのが自分たちのスタイル。そこはもっとよくしていかないといけない。まだ効率が悪い。うまく攻めれてないし、うまく守れてない。余計な動きが多いし、それを減らせばもっと効率よくできると思う」と力説。実戦で出た課題を練習で消化しながら、一歩一歩前に進んでいくだけだ。

(取材・文 西山紘平)

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