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[Y☆voice168]東京VユースFW高木大輔「変わるか、変わらないかは自分次第」

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 高校年代の注目選手にその時どきの課題や目標について聞く連載企画「Youth star voice」。第168回目は東京ヴェルディユースのFW高木大輔選手(2年)です。

 小学生時代から注目を集め、14歳でJ2のベンチ入り、そして昨年はU-17W杯でアルゼンチンからゴールを決めるなど着実に経験を積んでいるストライカー。ゴールへ対して特別強い意欲を持つ2年生FWは、現在どのような意識、課題を持って試合、練習に臨んでいるのか?(取材日:4月28日)

―清水ユース戦(4月28日)は後半途中で交代。もっと出たかったのでは?
「久々の暑さにやられてしまった。でもそれは、自分のダメなところ。それでは去年から変わっていないんで、もっと改善していかないとこれからの夏、厳しくなってしまう。ただ点も取ったし、警告もあったから(交代した)と自分としてはプラスに考えていますし、無駄な警告がなければもうちょっと出れたと前向きに考えています」

―得点はサイドからのクロスに飛び込む、いい形のゴールだった
「前半から相手は真ん中を固めていた。サイドは基本的に空いていたんですけど、そこを自分とか(菅嶋)弘希とかが上手く使えなくて。でも前半途中くらいから右サイドを上手く使えてきていた。点取るとしたら、ああいう形しかないと思っていたし、シナ(品田賢祐)があそこまで行ったらいいボールが来ることも分かっていた。昨日もああいう形の練習をしていて『ニアに入る事が大事だ』と言われていたので、ニアに入って気持ちでねじ込んだゴールですね」

―ゴール後も気持ちよさそうだった
「すっきりしました。前半ダメでしたし、後半もミスパスとかあった。後半は時間としては少なかったですけど、自分の特長は出せた。真ん中でプレーしたことで、ああいう形になったと思う」

―前半は自分からワイドへ移動したりしてプレーしていたようだが
「きょうは2トップが幅を取る感じだったんですけど、ポジショニングが難しかった。中が固まっていた分、外へ開いた方がいいと考えていたんですけど、そうすると右サイドの安西幸輝と被ってしまったりしていた。中途半端な形になってしまっていて、開いても、中へ行ってもポジションが被ってしまうような、どこのポジションを取ればいいのか分からないところがあった。でも後半、(トップ下の前田)直輝と代わってから、真ん中はシンプルにボールが来やすいので、ボールをたくさん触れて自分としても良かったです」

―シーズンのスタートとしてはどう評価している?
「点を取れているので悪くはないと思うんですけど、体力面だったりだとかは長いサッカー人生を考えたら凄く大事になってくる。自分のように前線から守備をするのであれば、体力面は余計に大事になってくるので、もっと改善しなければいけない。あと、自分でも(中島)翔哉のようにゴールチャンスを作れたり、点を取らせたり、とにかく得点に絡むプレーができたらと思う。でも2試合連続ゴールが続いている。プレミア(リーグ)ではここから全部の試合で点取るぐらいの勢いでいきたいです」

―前からボールを追い回すのは、他の選手にはなかなか真似することのできない部分
「(監督の)冨樫さんたちには『最初から100(パーセント)で行って、本当に90分持たなかったらいい』と言われているんですけど、自分としては90分持たせたいし、出たいし。その部分で変わるか、変わらないかは自分次第と思うので、最初から100で行っても90分持つくらいの体力というのは必要。課題としてやっていく」

―他に課題は?
「冨樫さんからは『前線でもうちょっとおさめる時間を増やすところをやってほしい』と言われている。自分は裏へ抜けるところもあるけれど、それは(菅嶋)弘希もいるし、どっちかというと縦パスのところをおさめてくれれば(中島)翔哉とかもすぐに反応して人数多く攻撃に関わることもできる、という話をされている」

―きょうもスローインから一人でキープして、個人でやり切っていた
「敵も寄ってくるし、あそこでもっと上手く時間を使えたら、効率よくシュートに近づけたらなと思う。(飛び込んでくる味方との受け渡しは)そこはもうちょっと自分で試合を重ねながら、どのタイミングがいいのか勉強していきたい」

―チームの手ごたえは
「プレミアは初戦で引き分けた以外は得点をたくさん取れて、失点もないのは凄く強みになっている。夏はいつも調子いいので、夏越えてからが課題。そこをどれだけ継続してやっていけるか。スタートダッシュは凄くいいと思うし、新人戦も優勝から始まって勢いを継続してできている。この勢いを終わるまで継続して、自分たちが3年になってバトンタッチしたときもこの勢いを継続していきたいです」

―早くトップへ、という期待もある
「なるべく早くトップに絡みたいです。でも、まだこれだけユースでミスがあったりしているレベルでは、上行ったらもっとミスが増えて、自分で自分を追い込んで余計に走って、もたなくなってしまう。最近では練習試合とかも出してもらっているので、そこで上手くアピールできればと思っています。上も見据えながら、上を考えながら、ユースでもっと余裕持ってできるくらいになりたいですね」

―ユースで遣り残したことがないくらいになってからトップへ
「ここ(ユース)では何でもできるというくらいにならないと、上へ行ったときに一苦労、もっと苦労すると思う。去年、ユースであれだけ(杉本)竜司クンができていても、上行ったらなかなか出れていないという現実もある。それが間近で見ることができるから勉強にもなる。竜司クン以上のものを持たないといけないと考えると、自分はまだまだ足りないかなと思う。試合、そして一日一日の練習を大事にして、あとは自分でできることもどんどんやっていけたらなと思います」

―(プレミアリーグの)得点王については
「(中島)翔哉が今勝ってしまっているので、まずは翔哉に負けないこと。翔哉を抜けば自分も得点については自信がつくと思う。それ以外については翔哉の方が全然上手い。でも(中島は)一番自分を見てくれる選手なので、お互い点とって競争し合えれば。自分もそうだし、翔哉も(前田)直輝も(菅嶋)弘希もみんな競争心を持って『点取りたい』『点取りたい』という気持ちがあれば、きょうのようにたくさんの点につながる。みんなで競争心を持ってやれば、この勢いは止まらないんじゃないかと思います。今は、守備も基本的に安定している。(U-18代表遠征で欠場した)吉野クン不在の中で2連勝というのは、デカい。今年は攻撃的な選手が多いので、守備が頑張ってくれれば攻撃はいくらでも点を取れると思う。まずは守備が大事ですけど、そこから攻めて圧倒する試合を増やしていければと思います」

(取材・文 吉田太郎)

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連載:「Youth star voice」

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