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F東京・MF梶山「トラップが決まっている」

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 9日の練習で、真新しい青と赤のスパイクを履くMF梶山陽平の姿があった。この日、初めて新スパイクでプレーしたFC東京の梶山は「トラップのときに、ボールが止まる感覚があってすごくいい」と手応えを口にした。

 第10節の新潟戦(2-0)で梶山は、今シーズンのリーグ戦で初ゴールを挙げた。高い技術を武器に、決定的なパスを通す反面、シュートへの意識はそれほど高くなかった。だが、札幌戦では得点機以外にも、明らかにゴールへ向かう姿勢が見えた。自身の意識が変わったのか、それともトップ下でプレーすることで自然とシュートが打てる状況ができたのか。梶山は、意識の変化が大きいと明かした。

「(ポポヴィッチ)監督にずっと言われていたので。ボールを受けることができたときは、シュートに持って行く形が結構つくれるので、そういうときは打つようにしました。プレーする場所も高くなって、トラップが少しでもずれると、すぐに相手も来てしまいますが、トラップが結構決まっているので、周囲を見て、余裕を持ってプレーできています」と言う。

 トラップが、彼のプレーの生命線だという。実際、梶山は密集の中でも平然とボールをトラップし、次の展開につなげている。なぜ、うまくできるのか。梶山は「止まらないでプレーできているから」と言う。通常であれば、ボールを止めること以外に動きが加われば、難易度は高くなり、ミスは増える。どういうことなのか。

「止まってプレーをすると、ボールが浮いたりするのですが、流れの中だとしっかりトラップできたりできるんですよね。これは感覚的なものなのですが、止まっているとトラップをどうするか考え過ぎてしまうんだと思います(笑)。でも、動いていると次のプレーをより考えることができて、意識せずにトラップができる。監督にも『動きながらプレーしろ』と言われていますが、それもすごく自分に合っているのだと思います」

 次節の札幌戦(12日・13時)では、再びトップ下に入ってプレーすることが予想される。「試合当日まで相手の映像は見ないのですが、自分たちのパスを回す質を高めながらやりたいですね。相手は引いてくると思いますが、その方がパスも回しやすいですし、前半で点を取れなくても焦らずにボールを動かして、相手を消耗させて戦いたい」と意気込みを語った。

 その札幌戦からは新スパイクを着用する予定だ。この日の練習からadidasの最新作「Predator Lethal Zones」を着用していた。プロ入り後、Predatorを愛用してきた梶山は、かかとが浅いシューズは脱げやすい印象があるらしく、そのためしっかりとかかとを覆ってくれる同モデルを履き続けてきたという。

 繊細なボールタッチを見せる技巧派MFは、新シューズについて「インサイドだけでなく、ボールを扱う部分にゴムが付いているので、浮いたボールのトラップもやりやすいですね」と語る。さらに「これまでのPredatorは、スタッドがブレード状になっていたのですが、今回のモデルはトライアングルになっているので、ふくらはぎにかかる負担が軽減されたことが今日の練習で実感できましたね」と顔をほころばせた。新たな武器は、彼の持ち味をさらに発揮させてくれそうだ。

(取材・文 河合 拓)

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