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[プレミアリーグEAST]試合後涙も・・・感情こもった熱戦は鹿島ユースが浦和ユース破る!

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高円宮杯U-18サッカーリーグ2012 プレミアリーグEAST
[5.13 プレミアリーグEAST第6節 浦和ユース0-1鹿島ユース 埼玉スタジアム第2G]

 高校年代の全国リーグ、高円宮杯U-18サッカーリーグ2012 プレミアリーグEASTは13日、第6節を行った。6位・浦和レッズユース(埼玉)がホームに8位・鹿島アントラーズユース(茨城)を迎え撃った一戦は1-0で鹿島ユースが勝利。今季2勝目を挙げて7位へ浮上した。
 
 試合後、相手の猛攻を封じ切って勝った鹿島の選手も、負けた浦和の選手も泣いていた。ともにここまで1勝のみと低迷。それだけに名門クラブ同士の一戦は、非常に感情の込もった試合になった。特に鹿島は試合に出場しない控え選手全てがバスで会場を訪れて選手たちをサポート。全員で何とか流れを変えようと必死だった。「もう負けられない」という思いはホームの浦和も同じ。試合終了間際に主審が警告を乱発させたこともありイエローカード計8枚が記録された熱く激しい戦いに決着がついた直後、両チームの思いの強さがあふれ出た形となった。

 鹿島のキッカ監督は試合内容に関しては満足していなかったが「ここまで悪い流れで来ていた。試練のゲームだったと思います。試合に出ない残りの組(サブ組)もここまで(応援に)来てくれた。控え選手を含めて集中力の高いゲームだったと思います」と微笑。MF橋本龍馬主将(3年)は「勝ちたいという意欲があったからこそ集中力があった。負けられないという気持ちが全員にあった。全員が頑張ってくれたと思うし、全員の勝利」とチームメートを讃えていた。

 試合内容で鹿島が圧倒していた訳ではない。ただ指揮官が「(勝者と敗者との差は)集中力の差だったかなと思います。ミスはありましたけれど、ミスが相手よりも少なかった」と振り返ったように鹿島は崩れなかった。GKを含めたパスワークでボールを運んでくる浦和を鹿島は前線から徹底的にチェイス。そして前線のFWカドコダイ・アシカン(2年)へ当ててくるボールは斎藤洋一植野元紀(ともに3年)の両CBが身体を張って跳ね返した。

 加えてセカンドボールの攻防戦で優位に立ち、連動した攻撃を見せる鹿島は10番MF込山雄奨(3年)のスペースを突く絶妙なドリブルとアイディアのあるパス、そしてダイナミックにサイドを上下動していた左SB徳野舜と右SB飛田啓介(3年)が決定機をもたらす。先制点が生まれたのは前半20分だ。込山が右サイドを駆け上がったMF飛田泰介(3年)へ展開すると、そのクロスに逆サイドから飛び込んだMF阿部翔(2年)が貴重な一撃を押し込んだ。

 浦和は鹿島のプレスをショートパスで外して反撃。エースFW中村駿介(3年)がファーストタッチでマークを外す巧さを見せ、右SB新井純平(3年)のオーバーラップとクロスが得点の予感をさせていた。前半26分には新井の距離の長いスルーパスにMF広瀬陸斗(2年)が走りこみ、30分にはPAで粘ってつなぎ最後はMF岸伯富実(3年)が右足シュートへ持ち込んだ。後半には新井のクロスが中村、アシカンに通る場面もあったが、シュートは枠を捉えず。アタッキングサードから相手を崩せずに焦れてしまってか、フィフティフィフティのループパスを選択してカットされる場面が何度か見られるなど攻めきることができなかった。足りなかった闘争心の部分を指摘し、チームを立ち直らせた鹿島の橋本は「ホッとしました。これを自信につなげてやっていきたい」。我慢する時間が長かったが、それでも浦和相手に遣りきったことは大きな手ごたえになった。

 全国高校総体予選や日本クラブユース選手権予選が開催されるため、プレミアリーグEASTは7月1日まで中断される。中断前の最終戦を勝利した鹿島はこの白星をきっかけにいい流れでプレミアリーグの再開を迎えたいところ。一方、8位へ転落した浦和は試合後号泣していた悔しさを糧にし、ホームで首位・東京Vユースと対戦する第7節(7月1日)をターニングポイントにすることができるか。

(取材・文 吉田太郎)
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