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「実戦の中で彼らの力を見たい」、トゥーロンで宇佐美ら欧州組を最終チェック

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 日本サッカー協会は18日、トゥーロン国際大会(23日~6月1日、フランス)に出場するU-23日本代表メンバー20人を発表し、MF宇佐美貴史(バイエルン)、MF高木善朗(ユトレヒト)、DF酒井高徳(シュツットガルト)、FW大津祐樹(ボルシアMG)、FW指宿洋史(セビージャ・アトレティコ)の欧州組5人が選出された。

 五輪代表チームにはこれまで選手の招集に拘束力がなく、大津を除けば、ほとんど海外組を招集することができなかった。トゥーロン国際大会にも拘束力はないが、欧州のシーズンがオフに入った直後で、第40回を数える伝統の大会ということもあり、今回はクラブ側の協力を得ることができ、欧州組5人の大量招集につながった。

 関塚隆監督は「個人として、チームとして、どれだけスケールアップできるか。コミュニケーションを取って、彼らの力も発揮させたいし、チームとしてもよりスケールアップした形で一戦一戦やっていきたい」と、欧州組が加わることでチーム全体のレベルアップにつながることを期待する。

 アジア最終予選でも3試合に出場し、2得点を挙げた大津はともかく、五輪代表からしばらく離れていた酒井高を含め、欧州組とはいえ、五輪本大会でのメンバー入りへアピールの場にもなる。原博実技術委員長が「海外組の選手は、ここ(トゥーロン)に懸ける思いがかなり強い。(五輪本大会の)メンバーに入るために、いいコンディションをつくっていると聞いている」と指摘するように、国内組との“違い”を見せる必要がある。

 関塚監督は宇佐美について「クラブでは右で出ているが、トップ下もできるし、1.5列目での爆発的なドリブルからのシュートなど、どうたくましくなっているか見たい」と指摘。その成長ぶりを見極めるつもりだ。

 初選出の高木についても「ユトレヒトでもずっと出ているし、クラブではウイングだが、宮市とは違う役割で、もっと中盤的な役割を担っている」と話す。オランダでは15試合に出場し、1得点6アシストを記録。いきなりの公式大会でどれだけ力を発揮できるかに懸かっている。

 昨年2月の中東遠征以来の選出となった指宿も、スペイン3部に所属するセビージャ・アトレティコでは今季20得点を量産し、得点ランキング2位に入った。「指宿は中東遠征で結果も出してくれた。高さや前線での保持力をこのチームでも発揮してほしい」。194cmの長身ストライカーが強力な武器になる可能性を秘めているのは間違いない。

「実戦の中で彼らの力を見たいし、そのためのいい場になると期待している」。国内組主体でアジア予選を戦ってきたチームに海外組が加わり、どんな“化学変化”が起きるか。本番まで準備期間も限られる中、トゥーロン国際が今後のチームづくりの行方を大きく左右することになりそうだ。

(取材・文 西山紘平)

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