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日本vsアゼルバイジャン 試合後の選手コメント

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[5.23 キリンチャレンジ杯 日本2-0アゼルバイジャン エコパ]

 日本代表は23日、キリンチャレンジ杯でアゼルバイジャン代表と対戦し、2-0で快勝した。史上最多となる海外組9人が同時先発した試合は前半42分にFW香川真司の国際Aマッチ10得点目となるゴールで先制。後半13分にはFW岡崎慎司が追加点を決めた。

以下、試合後の選手コメント

●FW香川真司(ドルトムント)
―ゴールシーンは?
「(DFが)相当、食いついていたので、かわせればフリーになると思っていた。相手が食いついていたのは見えていたし、あそこに蹴ろうと思っていた。それがうまくいった」
―まだ本調子ではない?
「こういう気候や試合勘の問題もあるし、練習も2、3日しかやっていないので、そういう意味ではもっとこれから上げていきたい。物足りない試合ではあったけど、しっかり修正して次の試合までにやれることをやっていきたい」
―攻撃の迫力がまだ足りない?
「まだまだお互いのやりたいことのイメージで開きがある感じがするし、一つ前のところでボールを回せればよかった。バイタルエリアでボールを回せないと、次の試合は苦しくなる。もう一つ前で仕掛けられればいいと思うけど、今日はそれがなかなかできなかった」
―遠藤不在の影響は?
「ヤットさん(遠藤)がいないとパスの出し手がいないので、効果的なパスがなかなか出なかった。でも、それはしょうがないし、だれが出ても違う良さはある。こういう相手に対してもっと崩していく場面を増やしていかないと、次は苦しくなるのかなと思う」
―左の連係はあったが?
「(本田)圭佑くんが絡んでくるといいけど、さらに1トップだったり、ボランチが絡んだり、もっと全員が絡んでいかないと。2人だけの関係では絶対に崩せない」
―代表で久々の左サイドを担ったが?
「自分は動きの中からプレーするタイプだけど、監督からは『サイドに張っていろ』と前半から言われていたし、得点シーンもそういう形から生まれたので、そこはうまく使い分けながらやりたい。試合の流れを見ながらやれれば。スペースがあれば張っていてもいいと思うけど、次の試合はスペースが消されると思うから、そうなったときの使い分けを自分で判断してやっていく必要がある」
―本田と組んで最終予選を戦う可能性が高いが、2人の連係の手応えは?
「(本田が)あそこにいると強いし、2、3人引き付けてパスも出せる。こっちも見てくれるし、あそこでどんどんパス交換しながら、もっと崩しにかかるシーンが増えてもいいと思うし、そこにプラスアルファで3人、4人が絡んでくれば、さらにいいサッカーができると思う。次の試合は3人目、4人目がいかに絡んでいくかが課題になってくる」
―ここから連戦で長丁場となるが?
「もっとよくなると思うし、時間をかけてチームをつくる機会なので、試合を経るごとによくなると感じている。そのために今日出た課題を話し合いながら、それを練習や試合でもっとやっていく必要がある。崩しのところで人数をかけてやる必要がある」
―得点シーンはドルトムントのようなカウンターから生まれたが、意識していたのか?
「裏を取れたら一番ゴールに近くなるし、ペナルティーエリアでボールを受けられれば、さらにチャンスにつながる。もちろん相手のラインが高かったからこそできたことだし、次の試合はおそらく引いて守ってくると思うので、ペナリティーエリア内のスペースはないと思う。そういう意味では一瞬のチャンスで決め切れるようになることが課題になってくる」
―オマーン戦への準備となったか?
「雰囲気も違うし、その中でいかにできるかはやってみないと分からないし、そのためにはしっかり準備していかないといけない。時間はあるので、コンディションや、チームとしてやれることはあるので、次までにやれることをやっていきたい」
―どういう面でコニュニケーションを取っていきたい?
「どういうところでほしいとか、こういうときはこうするとか、今日の試合でも話していた。それを練習や次の試合でもやっていくことが大事になってくる」
―連係面で自分が使いたいスペースを使われるとか、そういう感覚はあるのか?
「まだ連係ではズレがあるけど、それはしょうがない。日々やっていくことで修正できると思う」
―宮市と一緒にプレーする機会はなかったが?
「彼は速いので、ああいう時間帯になるとポイントになれると思う」

●FW岡崎慎司(シュツットガルト)
―本田が久々に戻ってきたが?
「いいところに(本田)圭佑がいるから、簡単に預けてしまうけど、もっと流動的になるというか、自分として成長するには、そこだけでなく、他も見られるようになりたい。いいところにいるから出したくなるけど、次はそこを読まれてくるかもしれないし、違う選択肢を持たないといけない」
―最終予選に向けては?
「もっと死の物狂いにならないと最終予選は突破できない。ミスしたときの切り替えとか、今日もあるときはできても、あるときはできないことがあった。集中力を90分間保たせないといけないし、そういうのを次の試合に向けて高めていきたい」
―宮市が途中出場したが?
「日本ではいないタイプというか、あそこで2人をぶち抜こうとする選手はなかなかいない。それをプレミアでもやっているわけだから、もっと成長すると思うし、武器にもなるし、ライバルにもなると思う」
―本田が交代してからはキャプテンマークを巻いていたが?
「普通なら(川島)永嗣さんや(中村)憲剛さんだと思うけど、(本田が)代わるなら付けるように言われていたので……。そういう年齢、位置になってきたのかなと。精神的にもチームを支えられるようにならないと。3年間で初めてだし、ここにい続けられているからこそだと思う」

●FW宮市亮(ボルトン)
「ポジティブな面で言うと、代表デビューできたことはよかったけど、一度シュートチャンスがあったところと、最初のシーンでこけてしまったのが残念だった。そういういい場面でしっかりアピールできればよかった」
―ドリブル勝負を意識していたように見えたが?
「やっぱりアピールしたかったところだし、自分の持ち味なのでガンガンいこうと思っていたけど、正直なところ、すごい緊張していて、最初にいい形で来たときに緊張でこけてしまって、やばいと思った。でも、そのあと立ち直れたし、(中村)憲剛さんや本田さんが『ガンガン行け』と言ってくれた。そういう言葉が自分を楽にしてくれた」
―交代で入ったときに本田に何か話していたが?
「前半からタメができていたところだったし、裏に走ればボールが出てくると思ったので、そういう意図を伝えた」
―本田は何と言っていた?
「どんどん行けと言ってくれたし、センタリングを上げるときにファーを意識しろと言われた」
―自分からいきなり本田に要求するのはなかなかできることではないのでは?
「サッカー選手として当たり前のことだと思う。世界で戦っていくためにも大事なことだと思う」
―代表の緊張感はプレミアのときとは違う?
「プレミアのときも最初は……。デビューはいつも緊張するタイプなので、今日は緊張した。でも、いい雰囲気でやれてよかった。フェイエノールトでもボルトンでも、いつも2戦目で点を取ったので、代表でも2戦目で取りたい」
―ボルトンからあらためてレンタルを希望されたが?
「そこはベンゲル監督としっかり話をしたい」
―ボールラインを越えそうなところで折り返したシーンについて内田も驚いていたが?
「僕も越えるかなと思った。追いつけてよかった。正直、理想としてはあんな苦しい状況をつくりたくないけど、ゴールキックにならなくてよかった」
―代表でやっていく手応えは?
「速さという部分は見せられたと思う。課題としては1本シュートがあったところで、香川さんだったり世界の選手は決めてくると思うので、そこはまだまだだと思う」
―守備もがんばっていたが?
「対面した相手にはがっつりいこうと思っていたが、それはできていたと思う。でも、正直ピッチの中で緊張していて自分がどういう状況だったのか分からなかった。しっかり見直したいと思う」
―五輪もあるが、A代表の重みを感じる?
「もちろん五輪も大事な大会だと思うけど、やはりA代表が一番上にくるものだと思うし、僕はいつもそこを目指している。昔からの夢だったA代表のユニフォームを着てピッチに立てたことはよかった」
―デビューするまで描いていた代表のイメージと、出たあとの印象の差は?
「やはりレベルの高いところだと感じたし、重みを感じられた。ただ、今はホッとしている。まだ1キャップなので、どんどん積み重ねられるようにがんばっていきたい」
―試合後に監督から言われたことは?
「監督からは今日初めて出た酒井選手、高橋選手の3人に『初出場、おめでとう』と言われた」

●MF本田圭佑(CSKAモスクワ)
―自分のプレーはどうだった?
「周りとの兼ね合いもあるので、一概に自分の動きだけ評価するのは難しいけど、もっと周りとかみ合えば、危ないプレーの回数や質を上げることはできたと思う」
―チームとしての攻撃面は?
「日本の昔からの課題だと思うけど、ボールを回す位置が低い。もっと高いところで回さないと。横パスもいいことだけど、横パスの位置があまりにも低い。それは個々の力がまだまだ低いということ。プレッシャーが厳しいところでは回せなくて、相手がプレッシャーをかけないところだけ回せる。スペインとの違いはそこかなと思う」
―周りを生かすプレーが多かったが?
「このメンバーだとそうなるかな、役割的には。3回に1回は(香川)真司と俺が逆になってもいいかなと思っていたけど、真司もあのへんにいたいだろうし、俺も相手が下がれば打てる場面も出てくる。今日はなかったけど、あそこで周りを使っているからゴールの場面が減ることはない。チームとして俺のプレーを分かってくれれば、ギブ&テイクではないけど、チャンスも出てくると思う」
―背番号については?
「何をみんな誤解しているのか、いろんな報道がされていて、そんな期待に応えられるかどうか分からないけど、もともと18番は与えられた番号。好きか、好きじゃないかと言われれば、あんまり好きじゃない。好きな番号を聞かれたら、前から言っているけど、10番。でも10番は決まってるでしょ。現実的に面白い番号が何か考えたら、3か4が好きかなと思って。最初は1番もどうかと思ったけど、現実的でない。1だと登録上、厳しいかなと思ったから、現実的に3番か4番になった。それで駒ちゃん(駒野)に話したら、よほどこだわりがあるのか、軽く断られた。『3番譲ってくれる?』って聞いたら『無理』って」
―4番にこだわりがあったわけじゃない?
「4番といったらセスクぐらいしか知らない。合宿でもその話になったらみんなフリットの名前を出していたけど、俺はフリットが4番を付けていたことも知らなかった。ジダンの5番もあるけど、(長友)佑都が付けていたし」
―新しい4番像をつくろうと?
「周りは違和感があるというけど、その違和感は常識にとらわれているから。4番が守備的というイメージを払拭したいし、4番が日本でエースストライカーの番号になってもいい。そこは俺が変えていければ。初めて4番で点が取れる選手になれれば面白いかなと」
―後半はキャプテンマークを巻いたが?
「監督から『付けろ』と言われたから。年齢も上のほうになっているし、あんまり違和感はなかった」
―酒井のクロスから惜しいヘディングシュートもあったが?
「相手のDFはファーが甘かったから、『余裕があったらファーに上げてくれ』と話していた。いいボールが来たから、あそこは決めないと」
―パスを出しながらゴールも狙うのは大変だが?
「今のサッカーは、受けただけで終わる選手は許されない。受けるだけ、出しただけで生き残っていける選手はいない。メッシやクリスティアーノ・ロナウドぐらい決められれば別だけど、10点、20点じゃ両方やらないと」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
―1か月ぶりの実戦だったが?
「個人的には久しぶりにボランチをやって、いい感触をつかめたところもあれば、まだ小さいパスミスとかも何回かあったし、そういった意味ではポジティブな部分、ネガティブな部分、両方出たと思います」
―良かったところ、良くなかったところは?
「前半は立ち上がりが良くて、途中間延びして、また最後に良くなってきた。いいときは選手間の距離が短くて、僕や(本田)圭佑のところでしっかりタメができて、そこからという攻撃ができていたけど、それを90分通してやらないと意味がない。あとはゴール前の精度ですね。シュートも上げていかないといけない」
―先制シーンは?
「あれは速攻と言えば速攻ですね。圭佑と僕が絡んで(香川)真司が飛び出せたし、他の選手も出ていた。でも、最終予選は引いてくる相手が多いので、なかなかああいう形はないと思う。あのゴールよりは、相手が引いた中でもっとしっかり崩して、点が取れればというのがありました」
―ミドルシュートも打ったが?
「『シュートの意識を持て』と監督が言っていたので、1、2本打ちました。シュートを打つことによって相手も出てくるし、そうすることで縦パスやスルーパスが効いてくると思う。そのへんは打つことに意味があると思うし、ただ、シュートの精度はもう少し上げていかないといけないと思う」
―45分で交代したのは予定通り?
「僕はやるつもりだったけど、ハーフタイムに監督が『今日は45分と考えていたから』と言って」
―最終予選に向けて。
「勝てたという部分と、ポジティブな部分が多かったのが良かった。もちろんいいところだけではないし、反省点はあるけど、ただ、いいところがたくさん見られたので、そういう意味で良かった。コンパクトにできているときは自分たちがいいテンポでボールを回せていたし、逆に間延びしていたときはなかなかうまくいかなかったというのが、前半の中でも結構あった。そこはもう少し90分通してやれるようにしたい」
―9か月ぶりに本田が入った攻撃陣だったが?
「圭佑が入ることによってあそこでタメができるので、あそこで押し上げられるし、やっていてもやりやすいと感じた。ボランチとトップ下の圭佑のところでボールを回せていたときはうまくできていた」

●MF細貝萌(アウクスブルク)
「ブンデスのシーズンを終えてから、ボールを全然触っていなかったので、イージーなミスもあったし、球際に関しても、もっと早くもう一歩寄せないと厳しいのかなと思いました」
―攻撃面での役割は?
「もっとボールを受けて前に供給していかないといけないし、それが自分の課題です。意識してやらないといけないかなと思います。フリーでもらえるように動かないといけないし、それがなかなかできなかった」
―最終予選に向けてのコンディショニングのための練習試合という意味では?
「試合をやる機会もなかったので、コンディションに関しては今日、試合に出ることで少し上がったのかなと思いますが、もっとブンデスのシーズンでやっていることをやらないといけなかったかなと思います。球際や寄せのところです」
―長谷部との役割分担は?
「自分が守備的で、長谷部さんが多少高い位置でプレーしようと言っていました。ただ、もっと自分がボールを受ければ、(香川)真司や(長友)佑都と左サイドから攻撃ができていたので、自分がもっとボールを受けながらさばいていかないと、と思った。できるだけ(本田が)圭佑が引かないように、押し出すようにやっていこうと佑都とも話していた。後半もあまり上がらず、佑都が前に行くことで、出たところのスペースを埋めることを意識してプレーした」

●MF高橋秀人(F東京)
―A代表デビューとなったが?
「全然ダメです。自分らしさも全然出せなかったし、止めて蹴る部分をもっと突き詰めないと、このピッチに立つレベルじゃない。今日45分出たことを生かすも殺すも自分次第。常に上を目指して、この基準を大事にして、F東京で結果を出せるように精進していきたい」

●DF内田篤人(シャルケ)
「公式戦からちょっと空いていたし、もともとは大学生と試合をする予定だったみたいだけど、こういう試合を1試合でもやってくれれば、親善試合とはいえ、全然違う」
―攻撃参加を自重していた?
「バランスを見ながらやった。(香川)真司もいるし、左にポイントをつくれるから。相手も引いてきたし、ブロックもコンパクトにつくってきた。間、間で受けられればチャンスになったと思うけど、相手もそこは気を付けているから」
―本田が戻ってきたが?
「ガツンとなったら強い。無理しても当てられる。左足でおさめて、他の選手が前を向ける。FKを後ろから見ていたけど、すごかった。『うぉー』って観客みたいになった。練習後とかホテルでもアイシングとかいろいろやっていたから、まだ完全ではないと思うけど」
―宮市もデビューした。
「個人的に楽しみ。速いですね。ラインを割るだろうと思ったら追いついてクロスも上げていたし。個人で行けるので、サイドに張らせて、好きにやらせるだけでも面白いと思う」

●DF長友佑都(インテル)
「連動もしていたし、まだまだ上を目指すうえではやるべきことも多いと思いますが、悪くなかったと思います」
―攻撃陣との連係は?
「みんなが意識を持ってチームのためにやっていたし、(本田)圭佑が入ったことが大きい。あそこでタメができることで、そこからみんなが走り出すことができる。彼が入ることによって全然違います」
―香川とも連動していたが?
「(香川)真司も好きなようにやらせてあげたかったし、途中から宮市も入って、彼らを生かすように考えてやりました。ただ、僕らは1週間くらい休みましたし、自分のコンディションを(6月)3日に合わせるように今日はやった。でもみんな動けていたと思う。全然問題なかったですね。体も動いていたし」

●GK川島永嗣(リールス)
「今日、試合ができたことは良かったし、勝ったことはポジティブだけど、最終予選ではもっと厳しい試合になると思う。それまで時間はないけど、プレーの中でもっと質を高めていかないといけないと思う」
―カウンター対策は?
「チームとしての意識はみんなが持っている。ただ、確実に90分間できるという試合はない。そこをどうやって互いにカバーしていくか」
―メンバーの変わった最終ラインはどうだった?
「全然、遜色なかった。槙野も伊野波も(栗原)勇蔵も知っているし、DFとしての能力は高いので、持っている能力を常に出していくことが大事。今日は良いカバーリングができていたと思う」
―最終予選に向けては?
「1試合1試合が大事。もっとプレッシャーがかかって来るので、その中でやれるようにしたい」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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