beacon

最終予選メンバー発表、ザッケローニ監督会見要旨

このエントリーをはてなブックマークに追加
 日本サッカー協会は24日、6月のW杯アジア最終予選3連戦(3日オマーン戦、8日ヨルダン戦、12日オーストラリア戦)に臨む日本代表メンバー25人を発表した。

以下、会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督
「W杯に向けて、いよいよ本番が始まる。まずその予選の3連戦がある。この3試合は当然、大切な試合だが、この3試合だけではない。最終予選8試合トータルで見て考えていければ。この3試合はとてもタフなゲームになる。最終予選に勝ち残ってきたチームはどれも3次予選を突破し、成長してきている。3チームの中にはアジア杯で対戦して、ある程度情報を持っている国もある。最終予選が始まるにあたり、すべてのチームの監督がそうであるように、ポジティブな方向にいくことを願っているし、そうなるとも思っている。私はこのチームを信頼している。日本に来て時間がたつので、皆さんも少しは私のことを分かってくれていると思うが、私は結果を約束するタイプではないが、全力を尽くすことを約束するタイプ。ソクラテスのようにたくさん話したあとに殺される状況にはなりたくないので、ここで終わりにします(笑)」

―練習がすべて非公開の予定になっているが?
「昨日の会見でも『決定力を上げるためのヒントはあるか?」という質問があったが、それに答えることでも相手に情報がいく。できる限り、対戦相手に情報を与えたくない。相手もできるだけ我々の情報を集めようとしてくるだろうが、相手を有利にするようなことは一つもしたくない。チームが準備に集中する環境をつくりたいというのも目的。最初は選手がフルに集まれる状況ではないので、できるだけ集中力を高めるために、この策を取った」

―常連の藤本が外れ、宮市が残ったが、宮市のどこを評価しているのか?
「メンバー選考にあたっては、選手の特長がかぶらないように考えて選考した。宮市は藤本の代わりではない。藤本はアシストが得意なタイプで、宮市はゴールに迫るのが得意なタイプ。宮市の特長としては両サイドをこなし、サイドに幅を持たせることができる。1対1に強く、ゴールに迫れる能力を持っている」

―W杯予選では成績が悪ければ予選の途中で解任されることもあるが、どんな意気込みで臨むのか?
「気持ちとしては、勉強をたくさんして、しっかり準備できた学生が試験に臨む心境」

―昨日負傷交代した森本の状態は?
「昨日の試合で腰を強く打撲したが、昨日の夜、今朝の状況では回復傾向にある。私の持っている情報では、(6月3日の)オマーン戦には間に合うし、その前に数日間は練習にも合流できると聞いている」

―デビューしたばかりの高橋も引き続き招集されたが?
「Jリーグをやっている選手の中でもトップクラスにコンディションがいい。バランス感覚に優れていて、戦術眼も持っている。ピッチの広いエリアをカバーでき、フィジカルも持っている。若い選手だが、私は非常に気に入っている」

―6月の3試合で勝ち点いくつならOKか?
「私の経験から、サッカーでは計算をしないことが大切。この3試合は大切だが、決定的な試合ではない。私の経験の中でも、リーグで優勝したときはシーズンの終盤でたくさんの勝ち点を稼いだ。この仕事をしてきた30年の経験から学んだことは、一つひとつ目の前にある試合をこなしていくことが大切ということ。当然、3試合を想定してこのメンバーを選んだが、現時点ではオマーン戦にだけ集中してやっていきたい。サッカーでは時には勝ち、時には負けることもある。計算しないで、目の前の試合に臨むことが大切で、我々のチームの特長として、その試合でできなかったことも次の試合で課題を克服できるチームだと思っている」

―20日間、手元に置ける選手もいるが、この時期に3-4-3の習得など特別なことをやる考えは?
「この3試合は親善試合ではない。この3試合に向けて、具体的な準備をしていきたい。実際、我々のシステムには4-2-3-1と3-4-3があるが、そこを重点的にやっていきたい」

―アゼルバイジャン戦では1トップに入った2人がいずれもシュート0本だった。今回入ったハーフナーに期待することは?
「FWにとってゴールが大切なのは理解できるが、シュート0本の見方にもいろいろある。シュート0本でも、チームメイトにスペースを与える動きをしていたり、状況によってパスが来ないこともある。昨日の試合ではそういう状況が起きたと思うし、昨日の試合に関して言うと、2人のセンターFWについては相手のDFを引き付けるタスクがあり、それを実行してくれた。だれがゴールを決めるかが大切なのではなく、チームとして得点を取ることが大切。我々は20試合で40ゴールを挙げてきたが、その中でたくさんの選手がゴールを決めている。ハーフナーは昨日の2人とは違った特長を持っている。ゴール前、ペナルティーエリア内で仕事をするタイプだと思っている」

―最終予選に向け、25人に求める心構えや覚悟はあるか?
「これまでやってきたように高いモチベーションで来てほしい。日本代表のユニフォームを着てプレーすることに誇りを持って、集まってほしいと思っている。サッカーはチームプレーであり、チームプレーの中に個の場面がある。そこをしっかり把握して代表チームに来てほしい。一人の選手の才能がチームに勝利をもたらすこともあるが、それは1試合に過ぎない。長い戦いや大会を勝ち上がるにはチーム力が大事になる」

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
ブラジルW杯アジア最終予選特集

TOP