beacon

プロ初先発で劇的アシスト、川崎F・福森「何が起きたか分からなかった」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[5.26 J1第13節 川崎F3-2仙台 等々力]

 プロ初先発で劇的な決勝アシストを決めた。昨季、桐光学園高から川崎フロンターレに入団したプロ2年目のDF福森晃斗が左SBで先発出場。DF小宮山尊信やDF森下俊の負傷でめぐってきた公式戦初先発のチャンスで、大仕事をやってのけた。

 2-2で迎えた後半ロスタイム、左サイドでMF中村憲剛からパスを受けると、フリーの体勢からゴール前に左足でクロス。これをFW矢島卓郎がヘディングでねじ込み、劇的な決勝点となった。

 スタンドのサポーターのもとへ駆け寄る矢島とは反対サイドで、チームメイトから手荒い祝福を受けた。背後から中村が“飛び蹴り”を入れ、次々とチームメイトが覆いかぶさっていく。「蹴られた? 憲剛さんでした。痛かったです」。そう笑った福森は「最初は何が起きたのか分からなかった。振り返ったら、みんなが喜んで走ってきてくれていて、ゴールだったんだなって。うれしかったし、苦しかった」と、歓喜の輪の中で喜びをかみ締めた。

 先発は試合当日に言われたが、前日練習でも主力組に入り、先発は予感していた。「朝、起きた瞬間はすごい緊張した。『来たか』って。でも、ウォーミングアップ中に鬼木コーチから『楽しんでやれ』って言われて、監督にも『お前の持っているものを全部出せば通じる』と言ってもらえた。試合に出たら自分でどうにかするしかない。楽しんでやれたと思うし、持っているものを出せたのかなと思う」と笑みをこぼした。

 矢島が「いい左足を持っているし、ボールを持てばいいボールが上がってくる。信じて走り込んだ」と振り返ったピンポイントクロス。福森は「数日前の自主トレで谷尾とセンタリングの練習を必死にやっていた」と明かす。「それが大事な1本につながったと思う。谷尾にはすごい感謝している」と、なかなか出番に恵まれない中、一緒に練習に励んできた同期のFW谷尾昂也に感謝した。

 19歳の同期ではMF大島僚太が風間八宏監督就任後、先発に定着し、2得点を挙げるなど活躍している。「同期が試合に出るのはうれしくもあり、自分も早く出たいって思う。今日、一緒にピッチに立てて、自分のレベルも上がったのかなと実感できた。今日のよかったところをこれからも続けていきたい」。上昇気流を描く新生フロンターレ。若手の台頭がその勢いをさらに加速させる。

(取材・文 西山紘平)

TOP