[12.29 天皇杯準決勝 G大阪 1-0 鹿島 エコパ]

　FWレアンドロの出場停止を受けて、ガンバ大阪のMF家長昭博は、天皇杯準決勝の鹿島アントラーズ戦で、急きょ、1トップを務めることになった。試合当日のミーティングで1トップでの起用を言い渡された家長は「役割に特に決まりはありませんでした」と明かすが、「みんなが信頼してボールを入れてくれていた。僕が相手を背負っている状態のときに、ボールを入れてくれたので、それをしっかり受けて、前を向いている選手に簡単に預けようと思っていました」と、周囲を活かすことを心掛けたと語る。

　先制点を挙げた直後から前半終了まで、G大阪は、らしいパスワークを見せて、何度かチャンスをつくった。家長も自らフィニッシュに絡むだけでなく、前線で攻撃の基準点になろうとしていた。だが、後半は押し込まれたこともあり、1トップの役割を果たせたとは思っていないようだ。「想像以上にできませんでした。特に後半。あの苦しい時に僕が前で頑張れなかったので、押し込まれてしまった。今日は相手も、特にフィニッシュの場面が良くなくて、それに助けられたところはあります」と、反省の言葉を並べた。

　鹿島に押し込まれた要因については、守備意識が高くなったことも挙げている。「最後のところで体を張れたり、カバーリングできている。その意識はリーグ戦より高くなっている気がします。その分、後半は攻撃で力を出せなかったところもありますが、トーナメントは結果が出せたことが大きい」。

　決勝ではレアンドロの出場停止が解けるため、本来の中盤での出場が濃厚となる。シーズン途中に期限付き移籍で加入し、リーグ戦では悔しい思いをした家長は「最後に一つ勝って、しっかり(タイトルを)つかみたい」と、自身にとって初となる天皇杯優勝を見据えた。

(取材・文　河合拓)

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