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FW藤田がハットトリック!! 平均年齢26.1歳のヤング・マリノスがヴァンラーレ八戸に逆転勝利

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[9.11 天皇杯2回戦 横浜FM5-1ヴァンラーレ八戸 ニッパ球]

 天皇杯は11日、各地で2回戦を行い、ニッパツ三ツ沢球技場では横浜F・マリノスヴァンラーレ八戸と対戦した。前半19分、東北1部のヴァンラーレ八戸は横浜FMのミスを突き、FW小林定人が先制ゴールを挙げる。しかし、このリードを保てない。わずか3分後、MF兵藤慎剛にゴールを許し、試合は振り出しに戻る。後半、横浜FMは日本代表MF齋藤学を投入する。後半5分にFW藤田祥史のPKで逆転した横浜FMは、同20分にも藤田が豪快なシュートを決める。同24分には齋藤のゴールが決まると、同45分には藤田が再びPKを決めてハットトリックを達成。後半に力の差を見せた横浜FMが5-1で勝利し、3回戦進出を決めた。

 DF中澤佑二、FWマルキーニョスらをベンチ外にした横浜FMは、スタメンの平均年齢が26.1歳の若手主体で試合に臨んだ。布陣は4-2-3-1を採用し、GKには六反勇治が入った。最終ラインは右から小林祐三、栗原勇蔵、ファビオ、奈良輪雄太。中盤の底にMF熊谷アンドリューと富澤清太郎。2列目は右から兵藤慎剛、佐藤優平、比嘉祐介が並び、1トップにFW藤田祥史が入っている。

 対する八戸は4-2-1-3の布陣。GKは山田賢二。DF金井隆太が出場停止の最終ラインには、右から鶴野大貴、成田諒介、照井篤、吉田智宏が並んだ。関口雄与と岡田真之介がドイス・ボランチを組み、トップ下に新井山祥智。3トップは右WGに佐々木絢也、左WGに小林定人、CFは吉岡弘樹となっている。

 J1で首位に立つ横浜FMだが、8月31日のJ1大宮戦(0-1)、9月7日のナビスコ杯準決勝の柏戦(0-4)と公式戦は2連敗中。この流れを変えたいところだったが、横浜FMはボールを保持しながらも決定機をつくれない。前半19分、左サイドを攻め上がったDF奈良輪雄太のクロスをPA内中央でMF佐藤優平がボレーで合わせたが、DFにブロックされた。

 前線から横浜FMの最終ラインにプレスを掛けていた八戸は、前半19分に相手のパスミスを逃さずに小林がボールを奪い、ドリブルでPA内までボールを運んでシュートを放つ。これが右サイドネットに決まり、八戸が先制した。

 1点を追う形になった横浜FMも、すぐに同点ゴールを決める。前半22分、MF比嘉祐介が右サイドを攻め上がったDF小林祐三にパス。小林がゴール前に入れたクロスを受けた兵藤がゴールを決めて、試合を振り出しに戻す。その2分後にも横浜FMは右サイドからチャンスをつくり、最後はMF熊谷アンドリューがミドルシュートでゴールを狙ったが、ボールはGK山田賢二の正面を突いた。

 ボール支配率で圧倒する横浜FMは、前半41分にも右サイドから小林がゴール前に入れたクロスを比嘉がヘッドで合わせたが、ボールはクロスバーを越えて行った。このまま1-1で前半を折り返した。

 後半の立ち上がり、横浜FMは小林を下げて、日本代表MF齋藤学をピッチに送り出す。奈良輪が右SBに入り、比嘉が左SBにポジションを下げ、齋藤は左SHに入った。前日の日本代表対ガーナ戦にも後半40分から途中出場していた齋藤は、後半2分に最初のシュートを放つなど、高い位置でボールを受けて攻撃を活性させる。

 八戸は後半5分にFW吉岡弘樹を下げて、MF柏崎昴大を起用する。その直後、横浜FMはPA内で佐藤が倒されて、PKを獲得する。これをFW藤田祥史がゴール右に決めて、2-1と逆転した。同8分には齋藤が独力でシュートまで持ち込み、PA外からゴールを狙ったが、わずかに左上へ逸れて行った。八戸を押し込む横浜FMは、同12分にも左サイドの比嘉がゴール前にクロスを入れる。DFがクリアーしたボールを熊谷がミドルシュートで狙ったが、これも枠を捉えられなかった。

 後半14分には、八戸に決定機が訪れる。横浜FMが自ゴール前でパスミス。GK六反と1対1になったFW佐々木絢也がシュートを打ったが、ゴール右に外してしまう。千載一遇のチャンスを逃した八戸は、同20分に兵藤のパスから藤田に得点を決められて2点差を付けられた。

 後半24分には左サイド、高い位置で佐藤がファウルを受けると、比嘉が素早くリスタート。齋藤にボールを渡すと、齋藤は左サイドから右足でシュートを決めてリードを3点に広げた。横浜FMは同28分に兵藤を下げて、DFジョン・ドンホを起用する。同30分には今シーズン公式戦初出場となった比嘉が左足を負傷し、FW端戸仁と交代する。

 その後も横浜FMは、八戸を圧倒する。後半44分には齋藤がPA内にドリブルで仕掛け、再びPKを獲得。これを藤田が決めて、ハットトリック。先制点こそ許した横浜FMだが、プロの強さを見せつけて、栃木SCとの3回戦に駒を進めた。

(取材・文 河合拓)

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