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ハットトリックの横浜FM FW藤田「PK2本やし、そんなに好ましくない」

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[9.11 天皇杯2回戦 横浜FM5-1ヴァンラーレ八戸 ニッパ球]

 Jリーグで首位に立つ横浜FMは11日に行われた天皇杯2回戦で、ヴァンラーレ八戸に5-1で勝利した。前半は1-1と苦しんだ試合の中で、横浜FMは後半に4ゴールを記録。マルキーニョスに代わり、1トップに入ったFW藤田祥史はハットトリックを達成し、逆転勝利に大きく貢献した。

 前半は相手と競り合う展開になったが、「こういう難しい展開になることは分かっていた。そうなったのはアカン」と藤田は振り返る。後半6分にはMF佐藤優平が相手DFに倒されて、PKを獲得する。「何人か候補がいましたが、点を取りたかったので立候補して蹴らせてもらいました」という藤田が、確実にゴール右に決めて逆転した。

 さらに後半19分にも流れの中から最後はMF兵藤慎剛からのパスを受けて、豪快に左足を振り抜く。「ファーはDFが来ていたから」と、冷静な状況判断から放った強烈なシュートは、GKのニアサイドを打ち抜いた。この得点について樋口靖洋監督は「あれが本来の彼の姿。豪快なあのシュートを枠に飛ばせるのは彼の持ち味。あの得点のような場面を今後も多くつくってほしい」と、首位を走るリーグでの活躍にもつながるはずだと話した。

 後半45分にもPKを決めて、藤田は鳥栖時代の2008年11月30日の仙台戦以来となるハットトリックを達成した。しかし「リーグ戦で(ハットトリックを)やりたい。PK2本やし、そんなに好ましくない」と浮かれることはなく言い、「リーグでも使ってもらっているので、点を取らないと使ってもらえなくなる」と、喜ぶよりも危機感を募らせた。

 実際に今シーズンのリーグ戦で、藤田は22試合に出場しているが、ゴール数は2点にとどまっている。残り時間が少ない中での起用が多いとはいえ、この数字に本人は満足していない。それでも、この日の活躍は、樋口監督への大きなアピールにはなった。指揮官は「残り10試合となったリーグ戦でも、必ず力になってくれると思う」と、3得点を挙げた和製ストライカーへの信頼を口にした。

(取材・文 河合拓)

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