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後半の逆転劇演出も…横浜FM FW齋藤「ちょっと複雑…」

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[9.11 天皇杯2回戦 横浜FM5-1ヴァンラーレ八戸 ニッパ球]

 日本代表の力を、存分に見せつけた。1-1で迎えた後半からピッチに立った横浜F・マリノスのFW齋藤学は、キレのある動きを見せて積極的にゴールを狙った。前日に日本代表の一員として、ガーナ戦のピッチに立っていたこともあり、後半だけの出場となったが、この試合最多となる4本のシュートを放ち、MF中村俊輔やFWマルキーニョスらを温存した攻撃を引っ張った。

「相手も疲れていたし、自分の良いところを出せたと思います。最後の精度の部分とか、課題はありますが、チームが勝つことが一番なので」と、齋藤は自身のプレーを振り返る。

 齋藤は、多くのチャンスに絡んだ。後半19分には藤田の2点目のゴールの起点になり、同24分には自らもゴールを記録。試合終了間際の同45分には得意のドリブルからPKを獲得と、後半の4点中3点に絡んでいる。

 ただし、自身のゴールについては申し訳ない部分があるという。この場面、左サイドでMF佐藤優平が倒されて、FKを獲得。素早く次のプレーに切り替えた横浜FMは、MF比嘉祐介がPA内の齊藤にボールを渡し、齋藤が精度の高いシュートを蹴り込んだものだった。

「試合後に、(TV解説をしていたOBの)水沼さんに『相手が(佐藤)優平に、大丈夫?と声を掛けていたときだった』と言われました。リスタートを早くして取ろうとした点だったのですが、そう言われるとちょっと複雑ですね…。(シュートは)狙ったところにボールが行ったし、最近点を取れていなかったので、取れて良かったです」と、齋藤は恐縮しながらも、7月のJ1第17節・浦和戦(3-2)以来のゴールに安堵した。

 日本代表に招集されていた齋藤だが、グアテマラ戦は出場機会がなく、ガーナ戦も短時間の出場だった。久しぶりに長時間プレーしたため、「全力でやって、45分だけですが、それでも最後はちょっときつかった」と、フィジカルコンディションが落ちていたことを明かす。2日連続の試合について、疲労の蓄積を心配する声もあがったが、むしろ中2日で再開するリーグ戦に向けて良い試運転になったといえる。齋藤自身も「昨日は5分程度の出場だったし、ホームで移動もなかったので」と、不安を一蹴し、「次のリーグ戦、C大阪戦が一番大事。そこに向けてチームで良い準備ができたらなと思います」と、3日後に控える5位C大阪との一戦に、気持ちを切り替えた。

(取材・文 河合拓)

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