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先制点のFW齋藤学「優勝するマリノスを見せられたことが嬉しい」

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[1.1 天皇杯決勝 横浜FM2-0広島 国立]

 クラブにとって9年ぶりのタイトル。2009年に横浜F・マリノスの下部組織からトップチームに昇格していたFW齋藤学にとっては、トップチーム昇格後、初めてとなるタイトルだ。

 自身の右足で、大きくタイトルを引き寄せたのは前半17分だった。右サイドからDF小林祐三がドリブルで仕掛けると、DFに潰されてボールがこぼれる。これがFW端戸仁、MF兵藤慎剛とつながり、齋藤に届いた。齋藤が右足を振り抜くと、日本代表GK西川周作の手の先を抜けてゴールに決まり、横浜FMが先制した。

「先制されるのは、すごく嫌だったので。こういうトーナメントで先制点はすごく大きかったですし、(端戸)仁が入って何本か良い攻撃が何本かできていたので、その流れと言うか、すこしこぼれ球みたいですが、良い形になりました。『得意な形』というわけではありませんが、こういうゴールが今シーズンはあまりなかったので。点を取れたのは良かったです」と、齋藤は喜ぶ。

 その4分後にはDF中澤佑二のゴールで追加点を挙げると、その後、猛反撃に出て来たサンフレッチェ広島を完封した。「2点が危ないのは、みんな分かっていたので。2-1になると一番危険なのはわかっていたし、HTにカンペーさん(富澤清太郎)も『0-0だぞ!』と言っていたので」と、最後まで集中が切れなかった要因を語った。

 キャリア初のタイトルについては、「リーグ逃した悔しさもあるので、満足することなくまだまだやらないといけないと思う」と前置きしつつも、静かに喜んだ。

「それでも、あそこに上がれることは、そうそうないから気持ちよかったです。まだ僕は(横浜FMのトップチームで)5年目ですが、もっと(栗原)勇藏くんとか、長い間戦っている選手もいます。それに、自分がうれしいというより、会社の人とか、育成の人に優勝するマリノスを見せられたことの方が僕としては大きい。僕もそういう(横浜FMの)姿を見て、ジュニアユースからユースに成長できたので、育成の人たちに優勝を見せられたことが良かったと思います」

 欧州クラブからも注目を集めている齋藤は、「来年については何も決まっていない」とのみコメントした齋藤だが、自分が成長しなければいけないことは強く感じている。リーグ戦終了後に、祖母が亡くなっていたことを明かし、さらなる飛躍を誓った。

「もう言ってもいいかな。リーグ戦終了後に祖母が亡くなっていたんです。リーグ優勝を獲れなかった悲しさとは、また全然違いましたが、ずっと支えてくれていたので。今日、こうしてタイトルを取るところを見せられたのは良かったと思いますが、これじゃまだまだ満足してくれないと思うので、まだまだ頑張ります」

(取材・文 河合拓)

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