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10年前の神奈川大Vメンバー、横浜猛蹴MF米山は後輩たち前に意地の1点

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[8.20 神奈川県選手権・天皇杯 神奈川県代表決定戦・決勝 横浜猛蹴1-3神奈川大 ニッパツ]

 後輩たちへやさしくエールを送った。この日に行われた第21回神奈川県サッカー選手権大会兼第96回天皇杯全日本サッカー選手権大会神奈川県代表決定戦・決勝で横浜猛蹴は神奈川大に1-3で敗れ、準優勝に終わった。最終スコアは3失点だったが、0-2から1点を返す意地をみせたのは途中出場のMF米山雄斗。10年前に神奈川大の一員として同大会で頂点に立った、その人だった。

 神奈川大は2006年大会以来となる10年ぶりの優勝。前回優勝時の2006年大会当時、神奈川大にいたのが、現在32歳の米山だった。普段からリーグ戦など「母校の結果は気にしていて、頑張ってほしいなと思っていた」と明かすMF。「今日戦うことになったので、絶対に負けたくないなという思いはありました」と言う。

 ベンチスタートとなった米山は0-2の後半39分に投入される。4年前の決勝・YS横浜戦で0-1の敗戦を喫していたことから、「4年前に決勝まできたとき、自分が決定機を外してしまってチームが負けたのがあった。この決勝では決めてやるという気持ちを持って、ピッチに立ちました」。

 すると出場から3分後には得点を記録。左サイド遠目の位置からMF高原伸介の蹴りいれたFK。壁の裏へ落ちたボールへいち早く反応。GK目前に頭で押し込んだ。「完全に劣勢だったので、決めることだけをしっかり考えて。伸介からいいボールが来ると思っていたので、信じて飛び込むことだけでした」。

 これがゴールネットを揺らし、1-2に迫った。決めた米山は自らボールを拾い、センターサークルへ急いで戻ると同点弾を目指した。しかし、その後にチームは3失点目を喫しての1-3敗戦。準優勝に終わった。

 試合後、神奈川大の長谷川大監督は「(指揮を執りはじめて)3年目なので10年前はわからない。でも10年前に神奈川大にいたのが選手が米山選手。だから今日は4点とも神奈川大の選手が取ったもの」と冗談交じりに語り、OBの奮闘振りを称えていた。

 後輩たちの前で1点を決め、“先輩としての面子を保てたのでは?”、 そんな質問に「保てたかなぁ?」とハニかんだ米山。後輩たちへは「神大には天皇杯本選ではしっかりと勝って、(2回戦で勝ち上がってくるであろう)ジュビロを倒すくらいに旋風を巻き起こして欲しいなと思います」とエールを送った。

(取材・文 片岡涼)

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