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磐田内定のエース中野が2発!!筑波大がJクラブ3連破で大学勢8年ぶりの16強入り

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Jリーグ勢3連破で4回戦進出を決め、歓喜の筑波大イレブン

[7.12 天皇杯3回戦 筑波大2-1福岡 Ksスタ]

 第97回天皇杯全日本サッカー選手権は12日、各地で3回戦を行い、大学勢で唯一、勝ち上がってきた筑波大はJ2のアビスパ福岡と対戦し、2-1で勝利した。Jリーグ勢を3連破する快進撃で4回戦進出が決定。大学勢の16強入りは09年度大会の明治大以来、8年ぶりの快挙となった。

 昨季の全日本大学選手権(インカレ)を制し、今季の関東大学リーグ1部も前期を首位で折り返した筑波大。天皇杯では1回戦でJ3のYS横浜、2回戦でJ1の仙台を連破し、3回戦に駒を進めてきた。今月9日までは総理大臣杯の関東予選にあたるアミノバイタルカップに参戦し、9日間で5試合をこなす過密日程を終えたばかり。9日の決勝はメンバーを落とし、順天堂大に敗れたが、関東2位で総理大臣杯の出場権も獲得し、主力の多くは8日の準決勝から中3日でこの一戦に臨んだ。

 筑波大は天皇杯2戦3発のFW中野誠也(4年=磐田U-18、磐田内定)が4-2-3-1の1トップで先発。2回戦・仙台戦(3-2)で2ゴールを決めたMF三笘薫(2年=川崎F U-18)はベンチスタートとなった。
 福岡は8日のJ2金沢戦(0-2)から先発7人を変更。FWウェリントン、MF山瀬功治、DF岩下敬輔、DF駒野友一らがベンチ外となり、金沢戦に続いて先発したのはGK兼田亜季重、DF冨安健洋、MF亀川諒史、FWウィリアン・ポッピの4人だった。[スタメン&布陣はコチラ]

 序盤は一進一退の膠着した展開となったが、前半25分過ぎからは徐々に筑波大がリズムをつかみ始める。前半26分、MF西澤健太(3年=清水ユース)の左CKをファーサイドのDF小笠原佳祐(3年=東福岡高)がヘディングで折り返すと、ゴール方向に流れたボールがクロスバーを叩いて跳ね返る。その後も立て続けにCKのチャンスを獲得。同30分にはMF戸嶋祥郎(4年=市立浦和高)が高い位置でボールを奪い、中野に縦パスを入れる。ドリブルで仕掛けた中野はヒールで落とし、西澤が右足ミドルを狙ったが、クロスバーを越えた。

 流れに乗れない福岡は前半途中でダブルボランチの一角だった冨安をアンカーに下げ、4-4-2から4-1-4-1にシステムを変更。しかし、その後もビルドアップで単純なパスミスが目立ち、チャンスらしいチャンスをつくれない。高い位置から積極的にプレッシャーをかける筑波大の足は止まらず、前半はスコアレスで折り返した。

 後半12分には筑波大が決定機をつくる。中野のスルーパスに反応した西澤がPA左手前から右足でゴール前にクロス。2列目から走り込んだ戸嶋がフリーで抜け出すが、シュートはゴール左へ。さらに同16分、戸嶋の絶妙なスルーパスから中野がPA内にフリーで抜け出したが、右足のシュートはゴール右に外してしまった。

 福岡は後半18分、ウィリアン・ポッピに代えてFW松田力を投入。同22分にはFW三島勇太に代わってFWジウシーニョが入った。攻撃のカードを次々と変えるが、流れは変わらない。筑波大は後半24分、再三、左サイドで起点となってチャンスメイクしていた西澤の左クロスを中野がダイビングヘッドでゴールに流し込み、均衡を破った。

 中野は天皇杯3戦連発となる今大会4ゴール目。直後の後半25分、アシストの西澤に代わって三笘がそのまま左サイドに入った。その後も試合は筑波大のペース。後半29分にはカウンターから戸嶋のスルーパスに反応した中野がフィニッシュまで持ち込むが、左足のシュートはDFがブロック。それでも同34分、エースが試合を決定づける2点目を奪った。

 パスをつないで福岡守備陣を翻弄する筑波大は右サイドに流れたボールにMF浅岡大貴(4年=JFAアカデミー福島U18)が追いつき、MF会津雄生(3年=柏U-18) とのワンツーから右サイドをえぐってグラウンダーのクロス。ファーサイドに抜けてきたボールに体を投げ出した中野がダイビングヘッドで押し込んだ。

 エースの中野はこれでJクラブ相手に天皇杯3戦5発。2-0とリードを広げた筑波大は後半36分、戸嶋に代えてMF鈴木徳真(3年=前橋育英高)を投入した。福岡は後半44分にFW石津大介のゴールで1点を返すが、反撃もここまで。そのまま2-1で逃げ切った筑波大が4回戦進出を決め、大学勢としては09年度大会の明治大以来、8年ぶりとなる16強入りを果たした。

(取材・文 西山紘平)

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