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1か月前は8失点惨敗…リベンジ期した仙台、久保建英フル出場・横浜FM撃破で8強入り!

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横浜F・マリノスは加入直後のFW久保建英を起用するも敗退

[8.22 天皇杯4回戦 横浜FM2-3仙台 ニッパツ]

 第98回天皇杯は22日、4回戦を各地で行い、ニッパツ三ツ沢球技場では横浜F・マリノスベガルタ仙台が対戦した。前回対戦では8失点の惨敗を喫していた仙台が2度にわたって追い付かれながら3-2で勝利。2015年以来、3年ぶりの8強進出を果たした。

 7月18日のJ1第16節では横浜FMが8-2で勝利した。連勝を期して臨む横浜FMは夏の移籍ウインドーで獲得した4人が先発。3バックのDFチアゴ・マルチンス、DFドゥシャン、DF畠中槙之輔は全員が新加入組で、FC東京から期限付き移籍したFW久保建英もスタメンに名を連ねた

 対する仙台は前回対戦の大敗を払拭すべく臨んだ。今夏、神戸から加わったFWハーフナー・マイクが先発。リーグ戦では出番の少ないDF菅井直樹、DF常田克人、MF古林将太、MF梁勇基、FWジャーメイン良もスタメン入りを果たした。[スタメン&布陣はコチラ]

 立ち上がりは横浜FMペース。幅広くボールを動かして敵陣に侵入すると、FWウーゴ・ヴィエイラに縦パスを入れ、シャドーの久保やFW仲川輝人が後方から出ていく。だが、共に3-4-2-1のフォーメーションを採用する中、仙台はマンツーマンのような形で的確な対応を見せる。

 すると徐々に仙台に主導権が移り、前半12分、ハーフナーのポストプレーにジャーメインがつなぎ、MF古林将太のクロスから常田の惜しいシュートが生まれる。同13分には梁が左CKをマイナス方向に蹴ると、DF永戸勝也が左足でシュート。同14分にはジャーメインがワンツーからPA内に攻め込んだ。

 ジャーメインは前半16分にも右サイドを駆け上がり、畠中に倒されてイエローカードを出させる。そして同17分、ついにスコアが動いた。仙台は自陣で前を向いたDF大岩一貴が対角線にロングボールを送ると、抜け出したのはFW石原直樹。意表を突いたボレーシュートでゴールネットに流し込んだ。

 その後は横浜FMが猛攻をしかけ、前半24分、T・マルチンスの攻撃参加からMFイッペイ・シノヅカがPA内で倒されてPKを獲得。だが、H・ヴィエイラのキックは右ポストに弾かれる。それでも同40分、久保がCK崩れから中央にふんわりとしたクロスを送り、ニアに入った畠中のシュートで同点。それぞれ移籍後初アシスト、初ゴールとなった。

 追い付かれた仙台は中央での崩しを見せつつ、サイドからのクロス攻勢で陣地を回復。すると前半のラストプレーでみたび試合が動いた。3回連続でのコーナーキックを梁が右から蹴り込むと、中央で競り勝ったのはジャーメイン。前回対戦では0-7からの1ゴールを決めた大卒ルーキーが、屈強なフィジカルを生かしたヘディングで貴重な勝ち越しゴールを奪った。

 横浜FMは後半3分、左サイドを駆け上がった畠中が中央にクロスを送ると、仙台守備陣がもたつく間にH・ヴィエイラがボールをキープ。右足で持ち出してのシュートはブロックされたが、こぼれ球に反応したMF喜田拓也が鋭いミドルシュートをゴール左隅に叩き込み、またしても同点に追いついた。

 その後も横浜FMの猛攻は続き、シノヅカ、仲川が鋭い突破でチャンスをつくる。一方の仙台は早くも渡邉晋監督が動き、後半7分にハーフナーを下げてJ1リーグ戦で11得点を挙げているFW西村拓真を投入。だが、横浜FMは同8分、MFユン・イルロクの突破からH・ヴィエイラが決定的なシュートを放つも、ポストに当たったボールをGK関憲太郎が何とか止めた。

 仙台にとっては厳しい展開が続くかと思われたが、後半9分に美しい崩しからから勝ち越しゴールが入った。右サイドを古林とジャーメインがワンツーで打開し、ライン際にえぐった古林が低いクロスを配給。ニアサイドに走り込んだ石原がダイレクトで合わせ、前半に続いてのボレーシュートで自身にとってこの日2点目が入った。

 後半12分には互いにカウンターの応酬。仙台は石原が中盤でボールを奪い、ジャーメインがゴール前に突破するも、カットインシュートはブロックされる。するとこぼれ球が久保にわたって同様の突破。絶妙なタイミングで斜めのスルーパスを送ると、仲川が菅井に倒されてゴール前約20mでFKを獲得した。同14分、久保が蹴ったFKは壁に阻まれた。

 そこからは横浜FMが一方的にボールを支配し、仙台の陣形を深く押し込んでいく。仙台は後半20分、梁に代わってMF富田晋伍を投入した。同25分、ユンの縦パスにH・ヴィエイラが反応し、左足で流し込んだがオフサイド。直後にはユンを下げてFW伊藤翔がピッチに送り出された。

 横浜FMは伊藤、H・ヴィエイラを2トップに置いた3-1-4-2にフォーメーションを変更。前半に続いて採用された飲水タイムが明けても、依然として横浜FMのペースが続いた。アンジェ・ポステコグルー監督は後半31分、試合をとおして脅威となっていた仲川を下げ、MF大津祐樹がピッチに立った。

 横浜FMの猛攻はなおも続き、身体能力の高い最終ラインの選手が積極的に前線へと出ていく。だが、空中戦に強い常田が競り勝つと、同40分には足がつった古林に代えてDF蜂須賀孝治が投入された。同41分には西村がPA内で倒されるもノーファウル。横浜FMは同43分、畠中に代えてMF扇原貴宏を入れたが、最後まで反撃は実らず。ベスト16で敗退となった。

(取材・文 竹内達也)
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