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“常勝軍団”に肉薄も…Honda FC鈴木主将「惜しい試合が欲しかったわけじゃない」

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敗戦後、天を仰いだFC HondaのDF鈴木雄也主将

[10.23 天皇杯準々決勝 鹿島1-0Honda FC カシマ]

 Jクラブを次々に破ってきたHonda FCの快進撃はベスト8で止まった。試合後、主将のDF鈴木雄也は「皆さんから躍進したとか、追い詰めたとか、健闘したとか言ってもらえるのは良いことだけど、勝ってHondaは強いなと思ってもらえるチャンスだった。残念な気持ちが強い」ときっぱり語った。

 アジア王者の鹿島アントラーズに対し、シュート数は14対7と大きくリード。つくり出した決定機の数で言えば、ワンチャンスを決めた相手をさらに圧倒していた。また、昨年度は1-6の大差だったスコアも0-1に肉薄。しかし、鈴木主将は「惜しい試合が欲しかったわけじゃない」と何度も述べ、とにかく敗北を悔やんだ。

 前半からスモールスペースでのパスワークで相手スペースに潜り込み、優勢に試合を運んでいるようにも思われた。しかし、鈴木は「正直相手もけが人が多く、やれない相手じゃないとみんな感じていたと思う。その中でも前半からミスが多く、少し精彩を欠いていた」と指摘。普段との違いを感じていたという。

「相手はもちろんJ1トップクラスのチームで、どちらかというと守備的なチーム。いい選手が揃っているけど、自分たちはプレッシャーに負けてはたいているところ、逃げてはたいてミスになっているところがあった。普段やっていることができないのが相手のすごさでもあるし、僕たちの弱さだと感じた」。そうした試合運びにも後悔があった。

 また唯一の失点は自らがマークしていたFW土居聖真のヘディングシュート。「僕のところで決定的なミスをしてしまったので申し訳ない。あそこが僕個人の弱さ。一生懸命に走ってくれた選手に申し訳ない」。MF遠藤康のクロスも見事なものだったが、「JFLと違うのは試合前から分かっていることなので」と矢印を自身に向けた。

 専修大4年次は関東大学リーグ1部で最優秀選手に輝き、Jクラブからも注目を集めていた28歳。共に黄金世代を築いた大学の後輩であるMF長澤和輝(浦和)、MF下田北斗(川崎F)、FW仲川輝人(横浜FM)らがJ1強豪クラブで戦っている中、社業との二足のわらじを選んだ鈴木はJFLで2度の年間MVPを獲得するなど、異なる立場で絶対的な存在となった。

「ボールを持つ部分とか、駆け引きの部分ではもちろん(Jリーグでも)勝負できるところはあるとは思うけど、さっきのような高さは僕の弱さでもあり。J1、J2でやるにはそこが足りない。やれる自信はあるけどああいうミスをしてたらダメですね」。この悔しさをここからのJFL、また来季のこの舞台につなげていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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