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付け焼き刃の3バックも効力発揮…MF永木「それだけが収穫」

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右サイドバックと右ウイングバックを兼務した鹿島アントラーズMF永木亮太

[1.1 天皇杯決勝 神戸2-0鹿島 国立]

 付け焼き刃のフォーメーション変更だったが、どんな指示よりも目覚ましい効力を発揮した。鹿島アントラーズは0-2で迎えたハーフタイム、相手がどう出てこようと貫いてきた4-4-2から相手のシステムに合わせた3-4-2-1に変更。MF永木亮太は「練習も一回もやったことないけど、あそこまでできることはわかった。それだけが収穫」と振り返った。

「前半は相手のやりたいようにやられて、ほとんど自分たちは何もできずに終わってしまって、そこで失点もしたし、そこが全て」(永木)。対戦相手のヴィッセル神戸は3-4-2-1のシステムを採用。今季の鹿島は3バックのシステムを相手にハイプレスがハマらず、苦しむ展開が何度も見られてきたが、天皇杯決勝の舞台でも同様の戦況を呈した。

 スコアレスで迎えた前半28分、構造上1枚余るDF大崎玲央の持ち上がりに屈して大ピンチを招いたものの、その後も修正はできず。2点を奪われた後に修正に着手したが「後半はフォーメーションを変えてうまく行ったのはあるけど、1点目2点目を追いつく力がなくて、結局0-2で負けてしまったので不甲斐ない、情けない気持ちでいっぱい」(永木)という結果に終わった。

 変更したシステムは「準備は全くしていない」といい、この日で退任が決まっている大岩剛監督の指示で行われたという。「鹿島はずっとシステムを変更せずに4-4-2でやってきているチームなので準備はしていないけど、あまりにもハマらなさすぎて剛さんがとっさにそういう判断をしたと思う」。準備不足で機能していただけに、最初から対応できていればという後悔もやむを得ない。

 もっとも、この教訓を悔いるだけではなく未来に活かしていくつもりだ。「いろいろなフォーメーションもできないといけないと思うし、神戸のようなシステムのチームを相手にいろいろ苦しい思いをしてきているし、対策は少し考えないといけない。それだけですね、収穫は」(永木)。体制が変わる来季、伝統に柔軟性を加えた鹿島が見られるかもしれない。

(取材・文 竹内達也)
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