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[MOM789]立正大FW多田圭佑(2年)_タイムアップと同時、“劇的すぎる”決勝弾

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FW多田圭佑(2年=矢板中央高)が劇的な決勝弾を決めた

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.24 東京都サッカートーナメント準決勝 東京U 1-2 立正大 味フィ西]

 劇的すぎる幕切れだった。試合は互いに前半に奪い合った1点のみで終盤戦に突入。東京ユナイテッドFCはアディショナルタイムに入って延長戦を見据えて2枚を代える交代策に出ていた。

 立正大はそんな相手がみせた一瞬の隙を見逃さなかった。アディショナルタイムの表示を超えた90分+4分、MF吉野陽翔(2年=栃木U-18)から出された浮き球でDFの背後を取ったFW多田圭佑(2年=矢板中央高)がドリブルでエリア内に運び、右足を振り抜く。立正大の歓喜の輪が解けると同時に、試合終了のホイッスルが鳴らされた。

「吉野選手がいい運び出しをしてくれた。裏を取るのは自分の特長なので、信じて走ったらいいところにボールを出してくれた。監督からはいつも通りプレーして裏を取れ、点を取って来いと言われていた。(17日の)リーグ初戦でも初得点が取れいたので、そこから一週間、調子を落とさず来れたかなと思います」

 矢板中央高で10番を背負い、高校選手権でもベスト4に導いた実力派ストライカーだが、1年目の昨季のリーグ戦の出場はわずか1試合。大学サッカーの壁を感じさせられるシーズンになった。

 ただし2年目に入って「ようやく大学のフィジカルに追いついてきた」と手ごたえも感じ始めてきているという。公式戦2戦連発と結果としてついてきていることが何よりの自信になる。

 関東2部に降格してしまった今季だが、天皇杯出場という大学の歴史を変えるまであと一歩のところまで来た。「歴史を作るという意味でも上(本大会)に行って、プロのチームと戦って経験を積みたい」。トーナメント戦を勝ち上がるために一番必要な勢いが、今の立正大には備わっている。

(取材・文 児玉幸洋)
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