beacon

スピード復帰の鹿島FW鈴木優磨が追加点! 喪章に込めた想い「チームを代表してフィールドに立っている」

このエントリーをはてなブックマークに追加

先制点を喜ぶFW鈴木優磨ら鹿島の選手たち

[6.22 天皇杯3回戦 鹿島 3-0 大宮 NACK]

 左足首を痛めて負傷交代したルヴァン杯プレーオフステージから10日あまり、鹿島アントラーズの先発メンバーにFW鈴木優磨が帰ってきた。「グラウンドに出たら常に100なので言い訳はなし。勝てたのは良かった」。自身も勝利を決定づける追加点を挙げ、悲願のタイトル奪還に一歩近づいた。

 1-0で迎えた後半7分、なかなか入らなかった追加点は背番号40の左足から生まれた。セットプレーの流れから右サイドにボールが渡ると、MF土居聖真のクロスにファーサイドで反応。「いいボールだったのと、前でミンテ選手がつぶれてくれたので当てるだけだった」。自身のシュートよりもゴール前に入り込んでいたDFキム・ミンテの貢献に感謝した。

 いつもは2トップの一角でプレーしている鈴木だが、この日は4-2-3-1の左サイドハーフで先発。普段からサイドに流れて攻撃を組み立てる役割は担っているものの、守備も含めた激しい上下動を見せ、リーグ戦であまり出番のなかった若手選手も並ぶチームを支えていた。

 試合後、報道陣から新たな役割について問われた鈴木は「いやー、キツいっすね」と苦笑い。「監督の求めていることをやろうとするけど思ったよりキツくて、サイドハーフの選手すごいなと率直に思った。攻撃の部分ではある程度自由にやらせてくれるけど、守備においてはやるべきことが決まっているので疲れるなと思った」と振り返り、「でもサイドハーフの気持ちもわかったので、うまく汲み取りながらやれればと思う」と手応えをのぞかせた。

 J1リーグ前節の京都戦後には、運営スタッフ2人がスタジアム前の横断歩道ではねられ、死亡するという痛ましい事件も起きた。この日、喪章を巻いてプレーしていた鈴木は「鹿島に関わってくれる人が亡くなったことで僕自身も考えることが多かった。フィールドに立っているけどチームを代表して立っている」と神妙な表情。「そういう人たちに支えられてピッチに立っているのは海外に行ってあらためて感じる部分があった。そういう意味で今日は勝ちたいと思っていたので勝ててよかった」と勝利を捧げた。

(取材・文 竹内達也)
●第101回天皇杯特集ページ

TOP