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広島の天皇杯準優勝に「今日の悔しさは絶対に忘れない」、野津田岳人は6日後のルヴァン杯決勝へ集中研ぎ澄ます

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肩を落とすMF野津田岳人

[10.16 天皇杯決勝 甲府 1-1(PK5-4)広島 日産ス]

 タイトルが近づけば近づくほど、取り逃したときに悔しさは増す。サンフレッチェ広島MF野津田岳人は「サンフレッチェでタイトルを取りたいという思いが、この試合に関しては強かった。そういう思いしかなかったんですけど、結果として負けてしまって、いまは本当に悔しい気持ちです」と胸の内を語った。

 ミヒャエル・スキッベ監督新体制で今季躍進を見せた広島は、リーグ戦でタイトル争いを演じ、また天皇杯とルヴァン杯で決勝に進出した。しかし、リーグ戦は終盤に優勝争いから転落。今回の天皇杯はJリーグ発足後でクラブ6度目となる決勝進出となったが、6度目の準優勝という無念を味わう結果となった。

 ボールは握れたが、甲府の術中にはまった。前半26分に鮮やかなトリックプレーで先制点を奪われると、相手の5バックと4枚の中盤が立ちはだかる。「失点してしまったので、難しい展開になったなっていうのが正直なところでした。相手が出てこなかったですし、(ボールを)持たされていたというか、引いてきていたのでそこは難しかった」。追いかけるがゆえに、苦しい時間が続いた。

 野津田は後半34分に渾身のシュートを放つが、力のこもった弾道はゴール上にはずれた。直後には途中交代。ベンチから仲間の戦いを見守り、そして甲府の優勝セレモニーをピッチ横で見届けた。試合後、野津田は「なかなか気持ちを切り替えるのは、まだ難しいという状況」と肩を落とした。

 ここまで苦汁をなめ続ける広島だが、まだシーズンは終わらない。6日後、セレッソ大阪とのルヴァン杯決勝が行われる。「自分たちにはまた一週間後に決勝の舞台があるので、そこは本当に幸せだなと思いますし、そこで本当に取り返していくしかない。きょうは難しいかもしれないんですけど、絶対に明日から切り替えて取りに行かないといけない。こんなに早く取り返せるチャンスがあるということもなかなかない」。

 気持ちは切れることなく、その一試合に向けて集中力は研ぎ澄まされる。「より勝ちたいと思いましたし、今日の悔しさは絶対に忘れない。その悔しさをすぐぶつけられる舞台があるので、そこでぶつけていくだけです」。渾身の力を、今季最後の大舞台で発揮する。

(取材・文 石川祐介)
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