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「歴史の1ページを開いた」北嶋秀朗HCが指揮するクリアソン新宿が明治大を破って天皇杯本戦初出場!

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クリアソン新宿が東京都を制した

[5.7 東京都サッカートーナメント決勝 明治大0-1クリアソン新宿 西が丘]

 試合終了のホイッスルを聞くと、両手を突き上げた。「戦う、走る、声を出すこと、『クリアソンを振舞おう』と選手たちと約束していた。明治さんの力は凄いなと思いながらも、選手たちは負けずにやってくれた。大きな歴史の1ページを開いたなと思います」。今大会でクリアソン新宿の実質的な指揮を執り、初の天皇杯本戦出場に導いた北嶋秀朗ヘッドコーチは達成感に浸った。

 明治大との決勝は、「想定外のゲーム」になった。相手は4-4-2のシステムで来ると分析していたが、ふたを開けてみれば3-4-3。ミラーゲームにして、ガチンコ勝負を挑まれた。それでも立ち位置をずらすなどして“大人の対応”でかわすと、前半10分には相手WBの背後にスペースがあると見るや、MF澤井直人の攻め上がりからMF岡本達也のヘッドでこの試合唯一となる得点も奪ってみせた。

「個のところでマッチアップしてきて、個の力を見せつけにきたなと思ったけど、狙いは分かったので、それに対してのプレッシャーのかけ方は試合中とハーフアイムで確認しました。個人能力としては明治さんの方が高かったけど、1人じゃ無理なら2人でと、みんなで戦ってくれた。最後なんかヘロヘロでしたけど、みんなで体を張って守ってくれたことは誇りに思います」

 市立船橋高でスタープレーヤーだった北嶋氏は、Jリーグでも通算300試合を超える出場キャリアを重ね、2013年に現役を引退。指導者の道に進むと、熊本、新潟、大宮でコーチを歴任した。そして今年度よりJFLを戦うクリアソン新宿のヘッドコーチに就任した。「人のつながりを大事にする」チームの理念に共感しての就任だというが、「僕に求められているのはサッカーの部分」ということも十分に理解している。

 天皇杯初出場という一つの結果を残せたことは、北嶋氏にとっても大きな自信になる。本戦での指揮については「まだ話はしていないけど、そうなるのかなと思う」と気を引き締める。そして「クリアソンを多くの方に知ってもらえるいい機会になる。走っている姿やボールを蹴っている姿は、必ず感動する。クリアソンのサッカーにはそういうパワーがあると思っている。1試合でも多く見てもらえるように勝ちたいと思います」と快進撃を誓った。

 なお、5月21日に行う1回戦では、岩手県代表のいわてグルージャ盛岡と対戦。勝てば2回戦では、横浜FCと対戦する。

(取材・文 児玉幸洋)
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