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[天皇杯]主力4人不在の鹿島が逆転で8強入り、G大阪と対戦へ

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[11.14 天皇杯4回戦 鹿島2-1神戸 カシマ]

 天皇杯4回戦は14日、各地で3試合を行い、カシマスタジアムでは鹿島アントラーズヴィッセル神戸が対戦。神戸は後半3分にDF石櫃洋祐が先制点を決めたが、鹿島も同10分にMF野沢拓也のゴールで同点に追いつくと、同43分、途中出場のMFダニーロが勝ち越しゴールを奪い、2-1で逆転勝利をおさめた。

 鹿島は日本代表のFW興梠慎三、DF岩政大樹、DF内田篤人、負傷離脱中のDF新井場徹が欠場。システムは4-4-2で、GK曽ヶ端準、4バックは右から増田誓志、大岩剛、伊野波雅彦、パク・チュホと並んだ。中盤は変更なく、中田浩二と小笠原満男のダブルボランチで、右に本山雅志、左に野沢拓也。2トップは田代有三とマルキーニョスだった。
 神戸は日本代表のFW大久保嘉人、韓国代表のMF金南一のほか、MF松岡亮輔、MF朴康造、GK榎本達也が負傷欠場。GK徳重健太、4バックは右から石櫃洋祐、小林久晃、北本久仁衛、河本裕之と並び、中盤は宮本恒靖と田中英雄のダブルボランチ、右にボッティ、左に古賀誠史が入った。前線は茂木弘人と岸田裕樹が2トップを組んだ。

 試合は鹿島が主導権を握り、一方的な展開となった。中盤の出足も早く、寄せの早い連動した守備で神戸の攻撃を寸断。ボールを奪うと、小気味よくパスをつないで攻撃を仕掛けた。

 劣勢の神戸も最後のゴール前では体を張る。前半7分、鹿島は野沢の右クロスに田代が飛び込んだが、DFが間一髪クリア。同10分、右サイドバックの増田のオーバーラップから右クロスを田代が胸で落とし、野沢が左足ボレーを放ったが、GKの正面を突いた。

 神戸は前半27分、ミスからピンチを招き、マルキーニョスにPA内への進入を許したが、宮本がスライディングタックルで奪う。同34分、野沢のFKに田代がダイビングヘッドで合わせた場面も、GK徳重が鋭い反応でセーブした。

 一方的に攻め立てながらゴールを奪えない鹿島は徐々に苛立ちが募る。山西博文主審の判定に抗議するシーンも目立った。前半39分、田代がPA内で河本に倒されながら笛が鳴らなかった場面ではオリヴェイラ監督も激昂。結局、前半は0-0で折り返した。

 狙い通りの試合運びを見せる神戸は後半立ち上がり、逆襲に転じる。後半2分、河本の左クロスに合わせた茂木のヘディングシュートはGKに弾かれたが、この場面で得たCKから先制に成功する。

 後半3分、左CKを小林が頭で折り返し、茂木が右足でボレーシュート。ゴールライン上にいた増田がなんとか跳ね返したが、クリアボールが弱くなり、こぼれ球に詰めた石櫃が角度のない位置からダイレクトで右足を振り抜き、ゴールネットに突き刺した。

 先制を許した鹿島もすぐに反撃する。後半10分、マルキーニョスのヒールパスに走り込んだ野沢がワントラップから豪快な右足シュートを叩き込み、すぐさま同点に追いついた。

 神戸は後半19分、田中のスルーパスに茂木がオフサイドラインぎりぎりから抜け出し、GKと1対1の絶好機を迎えたが、ドリブルでかわそうとしたところでGK曽ヶ端にキャッチされ、決め切れない。

 鹿島も直後の後半20分、本山のスルーパスに田代が反応したが、右足のスライディングシュートはミートし切れず、ゴール右に外れた。

 神戸は後半22分、古賀に代えてMF吉田孝行を投入。同24分にも岸田をMF楠瀬章仁に代え、中盤の右に吉田、左に楠瀬が入り、前線はボッティと茂木の2トップに変化した。同23分、鹿島も本山に代えてMFダニーロをピッチに送り込んだ。

 この交代が上手くはまったのは神戸だった。全体の運動量が上がり、セカンドボールも拾えるようになると、パスをつないで相手陣内に攻め込む時間が増えた。鹿島は運動量が落ち、ミスも目立ち始め、なかなかチャンスをつくれなくなった。

 しかし、悪い流れの時間をしのいだ鹿島が土壇場で勝ち越しに成功する。後半43分、後方からのFKに合わせたのはダニーロ。マークを振り切り、ヘディングで決勝点を奪った。

 このまま2-1で逃げ切った鹿島の8強進出が決定。12月12日の準々決勝ではG大阪と対戦する。

(取材・文 西山紘平)

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