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[天皇杯]"負けパターン"を払拭した鹿島、戻ってきた王者らしさ

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[11.14 天皇杯4回戦 鹿島2-1神戸 カシマ]

 主力4人を欠く鹿島アントラーズが土壇場で神戸をねじ伏せた。日本代表のFW興梠慎三、DF岩政大樹、DF内田篤人、負傷離脱中のDF新井場徹が欠場。FW田代有三が今季公式戦初先発を飾り、MF増田誓志が右サイドバックに入るなどスクランブル布陣で臨んだ。

 出足良く入った前半は主導権を握り、一方的に攻め立てたが、ゴールを奪えず、後半3分に先制点を許した。嫌な展開だったが、後半10分、MF野沢拓也のゴールで追いつくと、終盤は運動量が落ちて苦しい時間帯が続いたものの、セットプレーのワンチャンスを生かした。

 後半43分、野沢のFKに途中出場のMFダニーロがヘディングで合わせ、決勝点。6月28日の大分戦(2-1)以来、今季公式戦3度目の逆転勝利を飾った。

 公式戦6試合負けなし(5勝1分)で4連勝となったが、ここ5試合はすべて無失点。6試合ぶりの失点は“鬼門”の先制点だった。8月から10月にかけて喫した5連敗はいずれも先制点を許し、そのまま逃げ切られる展開だった。

 田代は「先制されてそのまま負けるのが連敗していたときのパターンだった。先制されて逆転できたのも大きい。みんな自信になったと思う」と胸を張った。

 劣勢でも終了間際にセットプレーを生かし、きっちり勝ち切る。鹿島らしい勝負強さも戻ってきた。野沢は「夏場は勝てない試合もあったけど、ここ何試合でアントラーズらしさが出てきた。リーグも天皇杯もタイトルを取れるいい状態だと思う。優勝に向けて全力で頑張りたい」と力を込めた。

 主力の不在。先制される試合展開。さまざまな不安要素を跳ね返しての勝利にはただの1勝以上の価値がある。21日のJリーグ京都戦はFWマルキーニョス、岩政が出場停止になるが、ある程度のシミュレーションもできた。

 2試合連続先発が期待される田代は「マルキも(岩政)大樹さんもいないけど、みんなで力を合わせれば勝てると思う。その中でチャンスをもらえたら」と早くも視線を次に向けていた。

(取材・文 西山紘平)

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