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若手とベテランの相乗効果、鹿島が意地のタイトル&ACL出場権獲得

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[1.1 天皇杯決勝 鹿島2-1清水 国立]

 無冠に終わるわけにはいかなかった。鹿島アントラーズが意地のタイトル獲得で最後のACL2011切符を手にした。4連覇を狙ったリーグ戦はまさかの4位終戦。4年連続のACL出場権を獲得するには、元日決戦を制するしか道はなかった。「ACLはやっぱりないといけないと思うし、そこを取れたのはよかった」。MF本山雅志はそう言って安堵の表情を浮かべた。

 若手とベテランが上手く融合した。今季限りでの退団が決まったFWマルキーニョスは準々決勝前に帰国し、FW興梠慎三、FW大迫勇也の若き2トップに託された。この日は無得点に終わったが、準々決勝・名古屋戦、準決勝・F東京戦と2試合連続のアベックゴール。DF中田浩二は「連戦できつかったけど、若い選手が自信を持ってやれたことが今回の優勝の収穫」と言う。DFジウトンに代わって左SBに入ったDF宮崎智彦もリーグ終盤から試合を重ねるごとに成長。この日も対面したFW藤本淳吾に仕事らしい仕事をさせなかった。

 ベテランの力も大きかった。79年生まれの31歳。いわゆる黄金世代に当たる本山、中田、MF小笠原満男、DF新井場徹、GK曽ヶ端準ら経験豊富な選手がいたからこその勝負強さ。本山は「みんなのプレーを見たら分かると思うけど、年齢は関係ない。みんな素晴らしかった」と力を込める。若手もベテランもそれぞれが持ち味を発揮しての栄冠だった。

 来季はリーグ王座奪還とともに悲願のアジア制覇を目指す。小笠原は「ACLとリーグの両方を取るのは簡単じゃないと思うけど、両方を狙いたい」と力説し、中田も「4冠? もちろんそのつもりです」と言い切った。14個目のタイトルも通過点に過ぎない。苦しんだ2010年を終え、最高の形でスタートを切った2011年。鹿島が再び常勝軍団への道を突き進む。

(取材・文 西山紘平)

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