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史上初のJ2同士の決勝に大木監督、「強いチームが勝ったということ」

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[12.29 天皇杯準決勝 横浜FM2-4(延長)京都 国立]

 元日の決勝戦は京都サンガF.C.vsFC東京と史上初となるJ2同士の対戦となった。そもそも、J2勢が決勝に進出するのは初めてのこと。今年のJ1では、昨年J2優勝の柏がJ1も制覇したが、J2の上位とJ1の差がなくなってきていることを表している。J2同士の決勝戦について問われた大木武監督は「そこに関しては感想はない。強いチームが勝ったということです」ときっぱりと言い切った。

 言葉通り、横浜FMを圧倒した。シュート数は4本多い21本。終盤や延長戦は横浜FMのハイボール戦術に苦しんだが、攻撃的なサッカーを展開した。後半ロスタムに失点して2-2と追いつかれる苦しい展開だったが、指揮官はしっかりとチームを整備し、延長戦に挑ませた。「あの失点は仕方がない。いいじゃないか、90分で終わるのはもったいないぞと。あと30分やればいいじゃないか、何の問題もない、という話をしました。選手にはそれだけのタフさがあったのかなと、関心ではないですけど、確信はしました」という。信頼して送り出された選手は、しっかりと期待に応えたわけだ。

 決勝戦の相手は、京都にとっては難敵だ。今季はリーグ戦で1-4、1-6と大差で2敗している。つまり、何としても勝って見返したい相手だ。大木武監督は会見で「2敗してトータルは10対2です。得失点差ではかないませんけど、1つくらい何とか勝って終わりたい」と静かにリベンジを燃やした。

 FC東京の大熊清監督とは、岡田武史監督のもとで、ともにコーチとして昨年の南アフリカW杯を戦った盟友だ。大木監督は大熊監督について聞かれると、「熊は、我慢強いというか、本当にしっかりとやってくる。何に対してもそうなんです、サッカーだけじゃなくて(笑)。一緒に仕事をしていたときは、いつも助けてもらっていた。歳は彼の方が下ですが、割と頼りがいのある男。私は胸を借りるつもりでやります」と冗談を交えてコメントした。

 今季序盤は、戦術の浸透に苦しんだが、10月-11月にはリーグ戦6連勝をつかむなど、9月からの公式戦21試合(天皇杯5試合を含む)で15勝2分4敗と安定した結果を残している。大敗したときと比べて確実に強くなっている。「うちは1度、天皇杯を獲っていますけど、ずいぶん前のこと。出来ればまた新しい歴史を作れればいいなと思います。最後までできて、本当にサッカー人としてはこんな幸せなことはない。決勝もぜひ(勝ちたい)と指揮官。“大木マジック”で日本一に導く。

(取材・文 近藤安弘)

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