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FIFAコミュニティシリーズ初代王者はナスリ!! 決勝でアグとのe日本代表対決制す

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ナスリ(左から3人目)が優勝

 今季から創設された『FIFAコミュニティシリーズ』第1回の決勝大会が21日、東京都内で行われ、e日本代表のナスリが初代王者に輝いた。決勝戦ではe日本代表でチームメートのアグを合計スコア2-1で撃破。昨季のeワールドカップにアジア勢で唯一参戦した日本最強プレーヤーがあらためて強さを見せた。

 ともにe日本代表で数々の世界大会を経験し、FIFAの競技シーンを牽引してきた選手同士の決勝戦。1stレグはナスリが5バック、アグが4バックをベースとした布陣を敷き、フィールドプレーヤーで1選手だけ認められたアイコン選手は両チームともにFWロナウド(96/プライムアイコン)を起用した。

 またフィールドプレーヤー3選手に限られたレート90以上はいずれもFWキリアン・ムバッペ(94/W杯TOTT)、MFクリストファー・エンクンク(92/W杯PTG)を起用。もう1選手はナスリが特殊カードでボランチ登録のMFカリム・ベンゼマ(92/ウインターワイルドカード)、アグはMFエンゴロ・カンテ(91/ウインターワイルドカード)を使った。

 0-0でしびれるような展開が続く中、試合が動いたのは後半40分だった。両チームともに選手交代を行い、スーパーサブ選手を投入した中、ナスリは前日に解禁されたばかりでベンチスタートのみで使用が認められたFWリオネル・メッシ(98/TOTY)が左サイドを突破。ゴール前にグラウンダーで斜めのパスを送り込むと、こちらも途中出場のFWイバン・ペリシッチ(87/W杯TOTT)がダイレクトで決め、待望の先制点を奪った。

 2ndレグはアグも5バックシステムでスタート。それでもナスリの主導権は変わらなかった。前半18分、エンクンクが右ハーフスペースでボールをこね、相手DFを足止めすると、前を向いてすぐさま鋭いクサビのパスを配球。これを受けたロナウドがスライディングを誘ってフリーのスペースを作り、左足シュートでネットを揺らした。

 合計スコア2-0で後半へ。アグは選手交代や布陣変更、プレス強度の設定で反撃に出ようと試みるが、ナスリはFWネイマール(89/金レア)やエンクンクのドリブルで徹底的にボールを支配し、ほとんど攻撃機会を与えない。

 それでも後半39分、アグはCKを起点に我慢強く攻撃のチャンスを獲得し、人数をかけた攻撃でゴール前に侵入すると、MFヤヤ・トゥレ(89/W杯ヒーロー)の軸足当てフェイントから右足一閃。ついに1点を返した。ところが反撃はここまで。最後はナスリがさすがの安定感で時間稼ぎで試合を締め、合計スコア2-1の接戦を制して初代王者の座に輝いた。

■決勝戦までの経過
 世界大会で優勝する日本人eスポーツ選手の輩出を目指し、新たに創設されたコミュニティ大会。42選手によるオープン予選から勝ち上がったアグ、テラ、ゆーみー、kazと、プレシーズン大会を制したナスリ、ファントムの計6選手が決勝大会に進んだ。

 3チーム総当たりのグループステージではA組をゆーみー、ナスリがテラを制して突破。B組はファントム、アグがkazを制して突破し、ホームアンドアウェーで戦う準々決勝にそれぞれ歩みを進めた。

▽アグ 5-3(2-2、3-1) ゆーみー
 準決勝第1試合はアグとゆーみーが対戦。1stレグは前半4分、ゆーみーがダイナミックなサイド攻撃からFWキリアン・ムバッペ(94/W杯TOTT)が決めて先制すると、同26分にもMFヤヤ・トゥレ(89/W杯ヒーロー)のPKで早々に2点をリードした。ところがここからアグが猛反撃。後半20分、左サイドからの華麗な崩しでムバッペが決めると、同41分にFWアントワーヌ・グリーズマン(89/W杯PTG)が圧巻の個人技から決めて2-2で終わった。

 2ndレグはそのままアグの猛攻が続いた。まずは前半22分、左サイド起点の浮き球攻撃からFWロナウド(96/プライムアイコン)が決めて先制すると、同39分にはロナウドのフリックからムバッペが決めて2点差。後半27分、ムバッペの折り返しからロナウドが決めて突き放し、最後はゆーみーがFWイバン・ペリシッチ(87/W杯TOTT)の強烈ミドルで1点を返すも、合計スコア5-3でアグが突破を果たした。

▽ナスリ 2-1(1-1、1-0) ファントム
 準決勝第2試合はナスリとファントムの対戦。第1試合からは一転、ジリジリとした拮抗戦となった。まず試合を動かしたのはナスリ。前半27分、右サイドを攻め上がったムバッペのクロスにMFカリム・ベンゼマ(92/ウインターワイルドカード)が決めて先制した。それでもファントムは後半28分、FWリオネル・メッシ(98/TOTY)のスルーパスからFWロナウド(96/プライムアイコン)が決め、同点で1stレグを終えた。

 2ndレグは互いにチャンスをつくりながらもなかなか決定機を作り出せず、後半まで0-0の展開。それでも後半30分過ぎ、ついに試合が動いた。ファントムはメッシの左CKのトリックプレーからロナウドが狙うもDFにブロックされると、ナスリのカウンターがスタート。浮き球パスに反応したムバッペがDFカイル・ウォーカー(89/W杯PTG)との競り合いを制してゴール前に攻め込み、これが待望の決勝ゴールとなった。

 なお、決勝に進出したアグ、ナスリの両選手は、今年2月に行われる次回の決勝大会ストレートインの権利を獲得した。

(取材・文 竹内達也)

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