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ドイツ代表、PK戦で相手サポーター側のゴールを選んだ理由とは?

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 ドイツ代表MFバスティアン・シュバインシュタイガーが、EURO2016準々決勝イタリア戦で、相手サポーターが埋め尽くすゴール側でPK戦を行うことを選んだ理由を明かした。

 「本当に良いのか?」 ビクトル・カッサイ主審は、そう聞き返しているようだった。ドイツサポーターではなく、イタリアのサポーターが陣取るゴール側をシュバインシュタイガーが選んだことで、耳を疑ったようだ。

 カッサイ主審の疑問は当然だろう。ゴール裏にいるのは味方のサポーターである方が有利、そう考える人は少なくない。だが、シュバインシュタイガーは逆の選択をした。ドイツ『シュポルト1』が、その理由を語ったシュバインシュタイガーのコメントを伝えている。

 「ちょっと過去のことを思い出してみた」というシュバインシュタイガーの頭をよぎったのは、バイエルン時代の記憶だった。2011-12シーズンのチャンピオンズリーグだ。バイエルンは準決勝と決勝でPK戦を戦った。レアル・マドリーとの準決勝では勝ち上がりを決めたが、チェルシーとの決勝では涙を呑んだ。

「ミュンヘン(チェルシー戦)では南スタンド(バイエルンファンスタンド)側でPK戦に臨んだけど負けた。マドリー戦では、相手サポーターのスタンド側だったけど、勝っている」

 さらに、シュバインシュタイガーは今大会のPK戦も参考していた。決勝トーナメント1回戦でポーランドがスイスを下した一戦だ。ポーランドはスイスサポーターが陣取る側のゴールでPK戦を制している。そこで、シュバインシュタイガーは「今回はイタリア側でPK戦をすることにした」という。「イタリアのファンも喜んでいたね」

 そしてドイツは実際、敵のファンの前でベスト4への切符を勝ち取った。9番手までもつれ込んだ死闘。最後はイタリアDFマッテオ・ダルミアンのPKをGKマヌエル・ノイアーが止め、DFヨナス・ヘクトルが決めて決着をつけた。

 とはいえ、5番手で登場したシュバインシュタイガー自身は、決めれば勝利という場面で枠に飛ばすことができず、PKを失敗している。あえて敵サポーターがいるゴールを選ぶというキャプテンの判断が、準決勝進出を呼び寄せたとは言い切れないかもしれない。

 7日のセミファイナルで開催国フランスと対戦するドイツ。もしもまたPK戦までもつれ込んだ場合、シュバインシュタイガーは再びアウェーファンの前でPKを蹴りたいと思うのだろうか。

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