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イタリア優勝の影の立役者シリグが明かす「出番がなくても別の形で貴重な存在になろうと」

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イタリア代表GKサルバトーレ・シリグ

 イタリア代表GKサルバトーレ・シリグがイタリア紙『コリエレ・デラ・セーラ』のインタビューに応じ、EURO(ユーロ)2020の舞台裏を明かした。

 11日にウェンブリー・スタジアムで行われた決勝でPK戦の末、1-1(PK戦3-2)で地元イングランドを下して1968年大会以来53年ぶり2度目の優勝を飾ったイタリア。その躍進の裏には、チームの裏方に徹した第2GKシリグの姿があった。

 シリグはすでにイタリアが決勝トーナメント出場を決めていたグループA第3節ウェールズ戦の試合終了間際、22歳の正GKジャンルイジ・ドンナルンマに代わって出場を果たしたが、大会の大部分をチームの盛り上げ役として過ごした。

 主将のDFジョルジョ・キエッリーニは大会終了後、イングランド戦直前の逸話を告白。「サルバトーレは試合前に、僕ら全員の家族や大切な人たちの動画をまとめて見せてくれた。ウェンブリー・スタジアムに向かうバスの中では全員が泣いていた」などと語った。またDFアレッサンドロ・フロレンツィも、「シリグに感謝している。偉大なムードメーカーだった」などと明かしている。

 34歳のシリグはこのように振り返る。「出場していない時、2つの選択肢がある。静かに自分の出番を待ち続けるか、それとも別の形で貴重な存在になろうとするのかどちらかだ」とコメント。トルコとの開幕戦前夜から決勝の直前までチームを支え続ける選択をしたことを明かした。

「トルコ戦の前夜にほとんど偶然から始まった。これから何が待ち受けているか分からない。とりあえずスマホに自分の言葉を綴り、保存してみた。それからみんなに送信することを決めたんだ。何を書いたかって? 『1年半にわたって“カルチョがカルチョでなくなってしまった”時期を過ごした。僕らにとって、ファンが待つスタジアムに入ることだけでも勝利なんだ。団結すればより強くなれることを覚えていてほしい。僕らの代わりにこの場に立ちたかった選手は山ほどいる。楽しんでいこう』ってね」

「決勝の前は、感動的で解き放たれるような前向きなメッセージになるようにした。『ここにいられることは特権なのだから、笑顔でプレーしよう。ここまでたどり着いたのだから、なるようになる』ってね。僕は正しかったよ」

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