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トルコ連盟会長、デミラルの出場停止処分を受けてUEFA批判声明「容認できない違法で政治的な決定」

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処分を受けたDFメリフ・デミラル

 トルコサッカー連盟(TFF)のメフメト・ビュユケクシ会長は5日、トルコ代表のDFメリフ・デミラルに2試合の出場停止処分を下した欧州サッカー連盟(UEFA)に対し、「容認できない違法で政治的な決定」と非難する声明を発表した。

 デミラルを巡っては今月2日のEURO決勝トーナメント1回戦・オーストリア戦で、ゴール時に両手を影絵の狐のような形にして高く挙げた行為がトルコの極右過激派グループを示すジェスチャーではないかと物議を醸した。UEFAは調査を行った結果、「スポーツとは関係ない目的のためにスポーツイベントを利用し、サッカー競技の評判を落とした」として処分を決定。トルコは準々決勝・オランダ戦と、勝ち進んだ場合は10日の準決勝でデミラルを欠くことになった。

 ビュユケクシ会長はデミラルのジェスチャーを「決して政治的なものではない。トルコ人が何世紀にもわたって使ってきたサインであり、トルコらしさを象徴するもの」と説明すると、「この試合のUEFA担当者の報告書には制裁に関する記述がなかったが、一部の西側政治家の発言を受けて、UEFAがこの件に関する検査官を任命して調査を開始した」と伝えて調査プロセスを疑問視した。

 また、UEFAが処分を発表する前に一部メディアが情報をリークしていたことは「このプロセスが政治的に利用されているのではないかという我々の疑念を裏付ける」と見解を示した。さらに観客の違反行為などにも触れ、「はるかに重大な違反に対する罰金や執行猶予付きの判決と比べると、この2試合の出場禁止処分は著しく不釣り合いだ」とし、不当な判断だと強調した。

 TFFによるとスポーツ仲介裁判所に処分の撤回を求める訴えを行う予定だったようだが、3試合未満の出場停止処分は対象にならないことが明らかになったという。TFFは「上訴の権利が奪われた」と発表しているため、デミラルの出場停止は確定したようだ。

 その上で「偉大なトルコ民族の最大の特徴のひとつは、不正や無法行為にぶつかっても団結して立ち向かえること」と綴り、「それを全世界に証明する」と戦いが続くEUROへの意気込みを示した。

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ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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