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[Fリーグ]元カターレ富山の浜松・萩原「まだまだできると思う」

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 Fリーグ2012は、代々木体育館で行なわれた16日、17日のセントラル開催で幕を開けた。最大の注目は、今シーズンからFリーグに新規参入したアグレミーナ浜松だった。浜松は16日の第1節で、昨シーズンまでに5連覇を達成している名古屋オーシャンズと対戦し、1-8で敗れた。17日の第2節では、昨シーズンを10チーム中9位で終えたエスポラーダ北海道と対戦し、1-3で敗れ、連敗でFリーグのスタートを切ることになった。

 この2試合に出場した元カターレ富山のFP萩原洪拓は「やっぱり今までの相手とは強さもテクニックも違う。もっと僕らのチームも切り詰めてやっていかないと、勝つのは難しいなと感じました」と、昨季までチームが所属していた東海リーグとの差を痛感したようだ。

 昨季Fリーグ10位だった花巻に代わってFリーグに参入した浜松。2011シーズンの順位で言えば、Fリーグの頂上と底辺の相手と2節を戦った。その相手と戦うことで、Fリーグのレベルを感じ取ることも、浜松にとっては大きなテーマだった。

「王者でも9位でも僕らが挑戦者というのは変わらない。ただ、その中で確実に自分たちの力のなさを感じました」と萩原は唇を噛む。「力を出し切れていない部分もあるのかなと思いますが、相手の圧力だったり、いつもだったら見える場所が見えていなかったり。いろいろなプレッシャーがあって、うまくいかない部分もあったし、単純に力のない部分もあります。でも、やらなきゃいけないですし、リーグはどんどん続いていく。その中で、勝つ方法を見つけないといけないと思っています」。

 Jリーグを経験している選手たちが、フットサルに順応すれば大きな戦力になるはずだ。実際に名古屋戦では明らかに戸惑っていた様子のGK山本浩正も、第2戦の北海道戦では見違えるような好セーブを連発した。

「うちと名古屋の差なのかもしれませんが」と前置きをした上で、第2節で浜松と対戦した北海道のFP水上玄太は語る。

「(山本は)体が大きいから至近距離ではブロックされるので、遠目から狙おうという話をしていました。遠目から低いシュートを狙うとか、ファー詰め(ファーサイドに速いパスを入れて合わせる形)とか、(シュートの)セカンド(ボール)とかを狙って行けば、まだ完全にフットサルに慣れているわけではなさそうだと聞いていたのですが、実際に戦ってみたら意外と対応していたので『あれ?』と思う部分はありましたね」

 萩原もサッカーとフットサルの違いに戸惑っている。それでも、日本最高峰のFリーグの舞台で戦うことで、改善点を明確に把握できたという。

「フットサルは、サッカーより細かいですね。人の動きも、ボールの動きも。それが面白い部分でもありますし、相手を動かして自分たちが決める。相手のイヤなところを突く。そういうことを繰り返さないと、フットサルではゴールまでいかない。ボールの動かし方や、チームがうまく回る方法など、僕にもまだ足りないものがいっぱいあると思いますし、まだまだできると思います。1対1は誰もが負けたくないと思いますが、フットサルは守備にしろ、攻撃にしろ、連係が大事になってくるので、そこをもっと突き詰めて戦っていきたいです」

 Fリーグの多くのチームが「サッカーどころ静岡の選手たち」の潜在能力を警戒している。浜松の前田健一監督は「まだ27分の2」と話すように、彼らの挑戦は始まったばかり。今後、どのように変貌していくか、どのような戦い方を見つけて行くか。今しばらく見守りたい。

(取材・文 河合拓)

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