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[選手権]「あと1分を守り切れなかった」前回準Vの四中工、今度こそ日本一へ

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 第91回全国高校サッカー選手権大会の組み合わせ抽選会が19日、都内で行われた。前回大会準優勝の四日市中央工(三重)は初戦となる来年1月2日の2回戦で、優勝候補の一角、桐光学園(神奈川)と対戦する。

 四日市中央工のMF田村大樹主将(3年)は組み合わせが決まった瞬間、「来ちゃったな」と思ったと言うが、「『やるしかない』と、気持ちはすぐに切り替わった」と強調。今年2月に行った練習試合では敗れており、「内容は完敗だった。強い相手だというのは分かっている。DFラインが強いので、そこを打開できるようにしたい」と力を込めた。

 桐光学園は今夏の全国高校総体ベスト8。プリンスリーグ関東1部では、日本クラブユース選手権優勝の柏U-18などを押さえ、首位を走っている。MF佐藤建太主将(3年)は抽選会でくじを引き、いきなり四日市中央工を引き当てた。会場は大きくどよめいたが、「みんなどよめいたので、そんなにまずいのかなって」と、あくまで冷静だった。

「日本一を獲るには、どこかで強い相手が出てくる。最初か、あとかの違いだけ。初戦でしっかり倒して、日本一に弾みを付けたい」。自信たっぷりに話すと、「自信というか、それだけきついことをやってきた。自信を持ってないと、戦う資格はない」と力強く言い切った。

「(四日市中央工は)前にタレントがそろっている。そこをどう抑えていくか。僕らの守備陣には抑える力がある」。佐藤がそう警戒するように、四日市中央工は広島加入内定のFW浅野拓磨(3年)、湘南加入内定のFW田村翔太(3年)という前回大会の得点ランキング1位、2位の強力2トップを擁する。2人を含め、昨年度のレギュラー8人を残し、今大会は優勝候補筆頭とも目されるが、田村大は「プレッシャーは特に感じていない。チャレンジャーの気持ちで臨みたい」と言う。

 ボランチでは昨年度の主将でもあったMF國吉祐介(現・大阪体育大1年)が抜け、「中盤の守備力は少し落ちるけど、中盤とFWのコンビネーションはよくなっている。去年の経験を生かしたいし、去年よりスピーディーな攻撃を見せられると思う」と、前年度のチームと比較する。

「FWがいい仕事ができるように僕らがサポートしたい。いいボールを出せば、あの2人は点を決めてくれる」と、主将が絶大な信頼を寄せる浅野&田村翔の2トップは厳しいマークに遭うことも予想される。「FWにいい形でボールが入る回数は少なくなるかもしれないけど、その回数を増やすために中盤でいい形をつくって、FWにボールを供給したい」と意気込んだ。

 市立船橋と対戦した前回大会決勝は開始1分に浅野のゴールで先制しながら後半ロスタイムに追いつかれ、延長戦で決勝点を許し、惜しくも準優勝に終わった。「あと1分を守り切れなかった。それがモチベーションになって、ずっといい練習ができている。最後に優勝して終わりたい」。1年前の“忘れ物”を取りに行く最後の選手権。再び国立へ、今度こそ日本一へ、まずは激戦必至の初戦を突破する。

[写真]健闘を誓い合う四日市中央工MF田村大(右)と桐光学園MF佐藤

(取材・文 西山紘平)

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