[12.30 全国高校選手権1回戦 実践学園2-1東海大五 国立]

　実践学園(東京B)のDF鴻田直人主将(3年)が攻守にチームを引っ張った。後半7分、鴻田のPKで先制すると、DF尾崎快斗(3年)との両CBが堅いディフェンスで東海大五(福岡)のエース、FW小林秀征(3年=ファジアーノ岡山内定)を封じ込める。2-0の後半37分に1点を返されたが、終盤の東海大五の猛攻にも体を張って耐え抜いた。

「東京都予選から守備の時間が長くて、どう守るかが自分たちの課題だった。守備を意識してこの3年間やってきたし、守備には自信がある」。スピードが持ち味の小林を警戒し、「裏に走られたらきついので、いつもよりラインを低く設定した」という最終ライン。ある程度、東海大五に押し込まれるのは「想定内」だった。

　後半7分、相手のハンドで獲得したPKの場面では、冷静にゴール左隅に流し込んだ。「今までずっと同じコースに蹴ってきて自信があったので、思い切り蹴ってやろうと思った」。東海大五のGK鈴木光(2年)も方向は読んでいたが、絶妙なコースに飛んだボールに触れることはできず。相手GKにコースを読まれていたこともあり、鴻田は「右の練習もしているので。次はどっちに蹴るか分からない」と、2回戦以降を念頭に入れた“情報戦”も忘れなかった。

　CBながら10番を背負う鴻田。実践学園の伝統としてキャプテンが背番号10を付けることが決まっており、新チームになって主将に任命された時点で「人生初」の背番号10が決まった。「最初は違和感があったけど、付けていくうちに自分の番号になってきたかなと思う」。中学時代にはクラブW杯も観戦したというあこがれの国立競技場でのゴール、そして勝利。「小さいころから国立でやりたいと思っていたし、それが実現して信じられない部分もある。準決勝、決勝と、3回立てるようにがんばりたい」と、再びサッカーの聖地に戻ってくることを誓った。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文　西山紘平)

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【特設】高校選手権2012