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[選手権]桐光学園は16年ぶり決勝進出ならず、U-18代表DF諸石は痛恨2点目を「ボクの責任」

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[1.12 全国高校選手権準決勝 京都橘3-0桐光学園 国立]

 MF中村俊輔(現横浜FM)を擁した96年度以来となる決勝進出、そして初Vを目指していた桐光学園(神奈川)は準決勝で姿を消した。四日市中央工(三重)のFW浅野拓磨(3年=広島内定)とFW田村翔太(3年=湘南内定)のJ内定2トップをそれぞれ無得点に抑えるなど堅い守りを見せてきた守備陣が相手のカウンター攻撃に沈み、まさかの3失点。特に後半31分に失った2点目は相手MF伊藤大起の突破を阻んで一度ボールを奪いながらもクリアすることができず、こぼれ球を“要注意人物”のFW小屋松知哉に押し込まれた。後半は流れを引き寄せ、何度も相手ゴールに迫っていただけに痛恨の失点。U-18日本代表のCB諸石健太(3年)は「0-1から0-2にしてしまったのは、ディフェンスリーダーのボクの責任です」と唇を噛んで悔しがった。

 四中工戦では抜群のポジショニングで前回大会得点王の浅野へのボールをインターセプトし続け、この試合でも諸石の積極的な守りは光っていた。本人も「今までは代表のプライドがプレーに影響していた。代表だからいいプレーをしなければいけない。これがプレッシャーになっていた」という。抜群のスピードを持つ訳でも、圧倒的な高さ、強さがある訳でもない。180cmのCBは危機を察知して要所を抑える守りで評価を勝ち取ってきた。だが、U-18代表に選出されてからは“代表のプライド”がプレーに影響し、出足を鈍らせていた。それでも、「(今大会で)新しい自分を見つけることができた。今までプレーできなかったことができた。前への意識が高まってインターセプトが増えた」というCBは、プレッシャーに惑わされることなく、ピッチ上で自分の良さを発揮。この日も再三好守を見せた。目標の優勝には手が届かなかったが、「国立でも出せた」と満足げに国立を後にした。

 日本一こそ逃したものの、チームは今年度、激戦区のプリンスリーグ関東1部で優勝。12月のプレミアリーグ参入戦では東海王者のジュビロ磐田U-18、北海道王者の北海道大谷室蘭に連勝して全国リーグ昇格を勝ち取った。そして今大会では16年ぶりとなる4強進出。現3年生中心に日本一が見える位置までチームを引き上げた。俊輔在籍時を含めて未だ果たしていない日本一への夢は、後輩たちが受け継ぐ。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)

【特設】高校選手権2012

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