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[MOM883]作陽MF佐々木宏太(3年)_ボランチ転向で注目度増した好MF

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.4 全国高校選手権岡山県予選準決勝 作陽1-0倉敷翠松 笠岡陸上競技場]

 昨年度の全国大会で3試合に先発しているSHが、ボランチへのコンバートを機に大きく羽ばたこうとしている。今夏から作陽のボランチを務めるMF佐々木宏太(3年)は1-0で終えた準決勝について「(チームは)2タッチ、3タッチが多くなって1タッチでポンポンっていうのがなくてリズムが変わらない課題があったと思う。ボランチがコントロールせなアカンと思うので、ボクらから攻撃のスイッチを入れるということを意識してやったんですけど、距離感がちょっと遠かったりというのが残念ですね」と首を振ったが、野村雅之監督が「(佐々木は)10年後、どこか(のJクラブ)でサッカーをやっているような気がする(微笑)。サッカーの理解度が高い。やることがソツがないし、頑張るし、技術もある」と評価するMFは攻守両面で質の高いプレーで勝利に貢献した。

「体力には自信があるので、ハードワークできるということは自信がある」というMFはこの日、自慢の体力で相手ボールに絡み、中盤で潰し役を全う。相手ボールを奪い取るシーンも何度もあった。そして攻撃面では左右両足でサイドチェンジできる正確なキックを駆使。長短のパスで相手を振り回した。33分には右サイドからのパスを受けると、DFを引きつけて左サイドのSB野村一稀(3年)の前方へ展開。野村のクロスから生まれた先制ゴールの起点となると、37分にはミドルレンジからの絶妙なパスでFW三浦航(3年)がGKと1対1となる決定機をもたらした。まだボランチへ転向してから日はわずかだが、チームのバランスをとりつつ決定機も演出するパサーとして欠かせない存在となっている。

 本来はアタッカーだっただけにゴールへの未練はある。ただ、「前線も点取れる選手が多い。もし自分らが負けるとしたら、自分らで崩れるということがその原因になる。自分はいい声をかけてチームのために走る。チームのために走るとか声をかけるとか、そういうところで自分が重要なのかなと思います。自分がバランスを取ったら、失点もなくせるし、そういうところも意識している」と自分が今担っている役割に責任を持って走りきるつもりだ。

 目標は日本一。「去年、ベスト8まで行って、1万人とか何千人という人が見ている中でサッカーができるという幸せを知って、自分がいろいろな人から応援されているなということも知りました。その恩返しの気持ちもありますし、国立まで行って優勝したい」。まずは一週間後の決勝をなんとしても勝ち切ること。そして全国舞台でボランチとしてさらなる自信をつける。

(取材・文 吉田太郎)
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