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[選手権予選]激戦を制した修徳が2年連続の全国へ!:東京A

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[11.16 全国高校選手権東京都予選A決勝 成立学園 3(延長)4 修徳 味フィ西]

 第92回全国高校サッカー選手権東京都Aブロック予選は16日、決勝を行い、成立学園と修徳が対戦した。夏に続いて全国の舞台を目指す成立学園に対し、修徳が先手を取る。前半32分にMF田上真伍(3年)のゴールで先制すると、後半10分にもFW小野寺湧紀(2年)の追加点で夏の王者を突き放す。しかし、ここから成立学園が猛反撃を見せた。後半18分にFW浅野裕永(3年)のゴールで1点を返すと、同35分にMF上田悠起(2年)、その2分後にはDF内田悠麿(2年)が逆転ゴールを叩き込む。だが、修徳も譲らない。ロスタイム2分にオウンゴールで追いつくと、延長後半3分にMF関秀太(3年)がゴールネットを揺らし、再びリードした。これが決勝点となり、4-3で修徳が東京A代表として、全国への切符をつかんだ。

 試合後、ミックスゾーンに現れた修徳の岩本慎二郎監督は「疲れた」と苦笑し、安堵のため息を付いた。そして「成立に勝って、全国で(成立よりも)うちがもっとやれるようにしないといけない責任感があります。やっぱり、成立の方が(ボールを)持てるし、2つ(の失点)を3つ(のゴールで)跳ね返す力は、相当ですからね」と続けた。

 その言葉どおり、試合は序盤から成立学園のペースで進んでいた。最終ラインで丁寧にボールをつなぎ、内田を中心に鋭い縦パスを入れながら攻め手を探った。前線の浅野やMF深尾春輝(3年)らにボールが入るものの、しっかりとブロックを築いて守る修徳を崩せない。逆に、ほとんどチャンスのなかった修徳が先制点を挙げる。前半32分、中盤でMF池田晃輔(3年)が体を張ってつないだボールから速攻に出ると、FW加藤禅(3年)のパスを受けた田上がトゥキックでゴールした。

 少ないチャンスでリードを得た修徳は、後半に入ると最前線にいた田上がトップ下に入る4-2-3-1に布陣を変更する。1トップになった加藤のプレッシングにより、相手の攻撃を限定できるようになった結果、高い位置でボールを回収できるようになる。後半10分には、PA内左寄りの位置でボールを受けた小野寺が追加点を挙げてリードを広げた。

 失点前の後半6分にFW町田ブライト(2年)、同12分に上田を起用していた成立学園も反撃に出る。ロングスローで会場を沸かせた上田が、後半17分に左サイドから精度の高いクロスを入れる。そこに飛び込んだ浅野がダイビングヘッドを決めて、1点を返す。その後も攻勢に出る成立学園は、同30分に上田が豪快なミドルシュートを決めて試合を振り出しに戻した。一気に修徳をたたみ掛ける成立学園は、同点ゴールから2分後にも河上の縦パスが町田に入ると、攻撃参加した内田にパスが通る。このチャンスを2年生CBが確実に決めて、勝ち越しに成功した。

 このまま試合終了かと思われた後半ロスタイム2分、FKを得た修徳は田上がゴール前に速いボールを入れる。これが相手DFに当たると、ボールは左ポストを叩き、ゴール内に転がり込んだ。3-3で前後半80分を終え、試合は延長に突入した。

 延長に入り、両チーム、足を吊らせる選手が続出する中で、途中出場した選手が試合を決めた。延長後半3分、田上からのパスを受けた関が右サイドから突破する。「相手の足が掛かったので、倒れようかと思ったけれど踏ん張った」と振り返る関が、右足のアウトサイドでシュートを打つと、これが決まって修徳が再び勝ち越した。

 驚異的な粘りを見せる成立学園も、延長後半ロスタイムにゴール前の混戦からMF丸紘生(3年)が決定的な場面を迎えたが、シュートは無情にもクロスバーを越えてしまう。このまま4-3で試合は終了。熾烈な点の取り合いを制した修徳が、2年連続9回目の全国大会出場を決めた。

 勝利した修徳の岩本監督だが、「うちは1点取って、カウンターから2点目を挙げて、そのまま逃げ切るというのが、従来の形。そこができなかった。全国大会でも簡単にはいかないと思うので、締め直さないといけない。攻撃に出てくる相手に対して体を張れないのは、うちの甘さだと思う」と、3失点を喫した守備面を本大会までの課題に挙げた。

【東京A】
[決勝]
成立学園 3-4 修徳

(取材・文 河合拓)
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