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名古屋入団FW小屋松と熊本加入GK永井、選手権注目校・京都橘高の攻守の柱が共同入団会見

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 12月12日、京都橘高(京都)からJリーグ入りするU-18日本代表FW小屋松知哉(名古屋グランパスへ入団)とGK永井建成(ロアッソ熊本へ入団、ともに3年)の共同入団会見が同校で行なわれた。

 会見には両選手に加えて京都橘サッカー部の米澤一成監督、名古屋の久米一正GM、熊本の池谷友良GMが出席。冒頭で米澤監督が「小屋松はスピードと得点感覚で、永井は高い身体能力と適切なコーチングや判断力で活躍してほしい」と両選手の特徴を紹介。続いて名古屋・久米GMは「我々はスピードスターを望んでいる。新しい監督の元、やってくれるのではないか。日本サッカー協会から宝物を預かる気持ちで、日本代表へ育て上げたい」と期待を述べ、熊本・池谷GMも「6月に練習参加した時に身体能力と反応が素晴らしいなということでオファーを出した。ロアッソ熊本を選んでくれたことに感謝したい。うちには南雄太という元代表GKがいる。その選手を乗り越えて正GKとなってほしい。クラブとして、しっかり育てていきたい」と続いた。

 小屋松は京都サンガF.C.も正式オファーを出しており、本人は大学進学も選択肢に入れて進路を考えていた。「U-18日本代表に呼んでもらっていろんな経験をしていく中で、早く世界と戦いたいという気持ちが芽生えてきた。代表メンバーにいたプロ選手からも話を聞いています。そして(名古屋や京都に)練習参加させてもらうなかで、早くプロとして上を目指していきたいと思う気持ちも強くなっていきました。名古屋は経験豊富な選手も多い。年齢層の高い選手の中でいろいろ経験しながら、レベルの高いサッカーができるんじゃないかと思ったのが一番の理由です」と入団に至るまでの心境を話している。

 また、名古屋には同じくスピードを武器とするFW永井謙佑がいることについて尋ねられると、「自分の武器であるスピードはもちろんですが、それ以外の足元の技術やシュート精度などで決定的なチャンスを作れる選手になれるように、永井選手とは別の特徴を生かしてポジション争いに入っていきたい」と一年目から出場機会を狙う構えだ。

 永井は「選手権が終わった後、サッカーをしている小学生から“GKになりたい”と言われた。夢を与える選手になりたいと思って高卒でプロの道へ入ることを選びました。親からは“ほんまに大丈夫か? 高卒ですぐ社会に出ることになるんやから、ちゃんとせなあかんねんで”と言われました(笑)。18年間、僕を支えてくれたので恩返しとして一日でも早く試合に出て頑張りたい。熊本には南雄太さんというすごいGKがいて、フィールドプレーヤーの選手も年齢の高い方がいて、その中で選手としてはもちろん、社会人としても学んでいければいいなと思っています」と話している。また、チームメイトから「あいつはほんまによく食べる」と言われている永井。熊本で食べてみたいものを尋ねられると、すかさず「馬刺しです」と答えて会場の笑いを誘った。

 京都橘にとっては、過去に女子バレーでVリーグや五輪選手は輩出しているが、男子でプロスポーツ選手が誕生するのは初めてだ。高校での3年間で学んだことについて2人は「人としてどうあるべきか」(小屋松)、「サッカー以外での人間性、それに感謝の気持ちを忘れないこと」(永井)と話しており、米澤監督も「3年前、2人がプロに行くとは思っていなかった。歴史は浅いが(サッカー部は2001年に創部)、これまで支えてくれたOBたちの存在も彼らのプロ入りにつながっていると思う」とサッカー部の基礎を築いてきた卒業生たちに感謝の意を示した。

 京都橘は12月14日開幕の高円宮杯U-18サッカーリーグ2013 プレミアリーグ参入戦出場後、12月30日に開幕する第92回全国高校サッカー選手権に挑戦。昨年度全国準V時の主力だった両選手は高校生活最後の晴れ舞台で日本一を目指す。

(取材・文 雨堤俊祐)
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