beacon

[MOM939]富岡FW高木洋輔(3年)_負傷感じさせない前へのパワー

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 松山商0-2富岡 オリプリ]

 立ち上がりから試合最終盤まで、馬力十分のドリブルで松山商に圧力を与えていた。富岡の10番FW高木洋輔(3年)は1-0の前半13分に右クロスからFW内山翔太(3年)が競ったこぼれ球を「自分の目の前にボールが来たので押しこめば入ると思った」と頭で押し込んで全国初ゴール。その後も36分に左クロスにニアサイドで反応すると、下がりながらのヘディングシュートをしっかりとコースへ放った。これは相手GKのビッグセーブに阻まれたものの、後半はマークが厳しい中でも力強い突破で再三相手を押し下げた。前へ、前への力強い動きを繰り返し、わずかでもコースが開けばパワフルなシュート。強烈な存在感を発揮した80分間だった。

「自分の良さがそこしかないと感じるので、そこで出さなかったら自分が出ている意味がない」。前に突き進むことが自分自身の良さであり、チームを助けることができる武器だと感じている。この日はその突破で相手を苦しめることに成功。自分の良さを出せたことを喜んだFWは、また「そんなに相手が自分に来るわけではなかったので、できるだけ自分は走って周りをフリーにしようと思った」とスペースへ飛び出し、守備でも献身的に走り続けた。

 今大会の出場は危ぶまれていた。高木は今月上旬に左足第5中足骨を骨折。開幕直前の27日まで別メニューで調整を続けてきた。強行出場ではあるものの、トレーナーたちのサポートもあって試合では痛みを感じさせないプレーで攻守に躍動。ゴールを決めただけでなく、フル出場してチームの推進力となった。「試合中はアドレナリンが出ているので大丈夫です。折れていたからどうこうではなくて、気持ちの問題だと思っていた」と記者陣を驚かすような発言で「問題なし」を強調。今後も力を緩めることなく、全力プレーを出し続けるつもりでいる。「富岡って名前を全国に知らせて、個人的にはチームを勝たせられるように点を取りまくりたい」。前へ、前へ、走り続けて富岡を勝利へ導く。
 
(取材・文 吉田太郎)

▼関連リンク
【特設】高校選手権2013

TOP