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[選手権予選]県2部リーグの加茂暁星が新潟明訓を下して10年ぶりの4強進出:新潟

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[11.3 全国高校選手権新潟県予選準々決勝 新潟明訓高 0-0(PK3-4)加茂暁星高 聖籠スポーツセンターFグラウンド]

 第93回全国高校サッカー選手権の新潟県予選は3日に準々決勝を行い、聖籠スポーツセンターFグラウンドの第2試合では、加茂暁星高がPK戦の末に新潟明訓高を破った。加茂暁星は、準優勝を果たした04年度以来10年ぶりとなるベスト4進出。個々の技術に勝る新潟明訓が押し気味に試合を進めたが、加茂暁星は粘り強い守備と速攻で対抗した。0-0のままPK戦に突入し、3-3でサドンデスに突入したところで後攻の加茂暁星はGKが好セーブ。続くキッカーがシュートを成功させ、PK戦4-3で勝利した。

 試合は終始、新潟明訓のペースだった。前半32分、ボランチの加藤潤からパスを受けた右DF関口正大が風に乗った鋭いミドルシュートを飛ばしたが、相手GKの好守に阻まれた。前半35分にも決定機が訪れたが、左MF高橋怜大のシュートは、わずかにゴールの右に外れた。後半に入ると、早々に高橋がクロスバーの直撃のシュートを放ち、風下にも関わらず再びペースを掌握。一方、風上に立った加茂暁星は風を利用したカウンター攻撃に活路を見出し、高速ドリブルが持ち味のFW加藤風人が素早く攻め上がる形で対抗した。それでも終盤は新潟明訓が怒涛の攻撃で押し込んだが、椎谷正太のシュートが相手GKのファインセーブに阻まれるなど得点を奪い切れなかった。

 加茂暁星は、粘り強い守備が光った。危険な場所に必ず現れるCB吉川拓真を中心とした3バックが中央を固め、1年生ボランチの豊田大河が恐れることなくボールホルダーを潰しにかかった。また、豊田が「いつもはボランチが広がって、最終ラインから縦パスを入れたり、サイドから人数をかけて攻撃したりするけど、今日は相手が強かったので自然と守る形になった」と話したように県2部リーグではピッチを幅広く使ってショートパスで組み立てる攻撃を披露しているが、状況に応じて戦い方を堅守速攻に変えたことが吉と出た印象だ。ただ、カウンターからMF斎藤颯樹がGKとの1対1を迎える決定機を作りながら決めることはできなかった。

 試合は延長戦でも決着が付かず、PK戦に突入。先攻の新潟明訓は3人目がポストに当てて失敗。4人目はGKに防がれた。しかし、直後に加茂暁星の4人目をGKが止めると、相手の5人目がクロスバーに当てて失敗し、3-3で追いついた。加茂暁星はリードを失い、倉茂俊介監督も「相手の4人目が失敗したときに勝ったかなと思ったけど、こっちの4、5人目が続けて外して流れが変わってしまうんじゃないかと思った」と心配する展開となったが、サドンデス1本目となる6人目でGK佐田快斗がいきなりセーブ。最後は1年生FW村岡志信がシュートを決めて勝利を手にした。

 U-18新潟県2部リーグ所属する加茂暁星は、1部所属の3チームを立て続けに破っている。3回戦で新潟産業大附高、4回戦で新潟西高、さらに準々決勝で県1部優勝の新潟明訓を撃破。FW加藤は「相手の方が力は上だと分かっていたけど、みんなで守備を頑張ることができた。昨季の選手権予選、今季の総体予選と新潟明訓に負けていた。3度目の正直で勝てて良かった」と喜びを語った。勢いがどこまで続くか注目だ。

[写真]PK戦6人目、FW村岡が決めて加茂暁星が4強進出

(取材・文 平野貴也)
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