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[選手権予選]「普段の練習からも、『とにかく暴れる』」松山北勢いづけたMF藤岡のスライディングタックル

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[11.8 全国高校選手権愛媛県予選決勝 松山北高 1-0 済美高 ニンスタ]

 試合終盤、1点を追う済美高が猛反撃。だが、時間が経つにつれて、それを耐え続けていた松山北高の勢いがどんどん増していくように映った。相手の突破をスライディングタックルで仕留めたり、プレッシャーをかけた選手が相手のキックを身体に当てて跳ね返したり、ビッグプレーが次々と出た松山北は、前半何度も決定機をつくっていた済美に最後まで1点も与えずに守り勝った。

 特に中盤での渾身のスライディングタックルで突破を防ぐなどチームを勢いづけていたのがMF藤岡将平(3年)だ。「きょうはとにかくスライディングタックルをやって、自分がこのチーム盛り上げてやっているんで。普段の練習からも、『とにかく暴れる』と言うか、ボランチって上手い選手多いじゃないですか。済美とかいっぱいるおるけど、自分みたいな潰し屋タイプ少ない。とにかく守備を頑張ることを考えていた」。

 熱いプレーでチームを引っ張った一方、ボールを奪うと丁寧にボールを動かし、サイドのスペースを突くロングキックも有効だった。「自分はそんなにテクニックがある訳ではない。木藤と2人で組んでいるんですけど、アイツは愛媛県でもナンバーワンじゃないかというくらい上手くて、そんなヤツがチームメートにいる。木藤はとりあえず何やってもつないでくれるので自分は守備で頑張ること」。前半は済美に何度もチャンスを作られたが、松山北はMF木藤佑也と藤岡のところでボールを素早く出し入れしながら攻め返していたことで、相手のペースに飲み込まれなかった。熱いボランチの正確なパス捌きもチームには欠かせなかった。

 3年生の4人のうちのひとりとしてチームの成長を感じている。「(夏まで絶対的なエースだった)清岡とか抜けて、周りからは『優勝は北高はないな』と言う形だったと思うけれど。自分たちは新しいチームとして臨んでいた。(試合を重ねるたびに)みんな自信掴んでいくのが分かるんですよ。3年生も(1、2年生のプレーを)落ち着いて見れるところがある、自分は分からないですけど、それができる4人が残ったと思う。大会中に成長できたのが大きいですね」。自称“潰し屋”は誇らしげな表情で勝ち取った優勝の喜びを噛みしめていた。

(取材・文 吉田太郎)
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