beacon

[MOM1264]東福岡DF末永巧(3年)_「人を狙えばほとんどズレない」自慢のキックで2発生み出す

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.30 全国高校選手権開幕戦 三鷹高 0-2 東福岡高 駒沢]

 狙ったゾーンに落とす精度は天下一品。全国高校総体決勝の延長戦で約50mのスーパーゴールを決めている東福岡高の左SB末永巧(3年)が、多彩なキックでチームの2ゴールを演出した。

 元々キックに自信を持っており、中学時代もチームのセットプレーを担当していたという末永らは今年、夏の王者・東福岡でセットプレーのほぼ全てを蹴る。その末永が「人を狙えばほとんどズレない」という自慢のキックでゴールを生み出す。まずは0-0の後半2分の左CKのシーン。「相手の守備は堅かったので、いろいろなボールを蹴り分けて翻弄しようと思った。中の選手は(空中戦で)勝てていたので、中の選手が要求してくるボールを蹴りました。きょうは相手が引いて守っていたので、CKとかセットプレーで点が獲りたいと思っていた」という末永に対し、MF中島賢星主将(3年)から合図が入る。球種はストレート。相図を送った中島の走りこんだ位置へ寸分の狂いなく放たれたボールは次の瞬間、中島の頭を経由してゴールへと突き刺さった。

 さらに三鷹の反撃に冷や汗をかかされた直後の後半19分、末永のキックが再びゴールに繋がる。今度は右CKから柔らかいボールをCB小笠原佳祐(3年)の頭にピタリと合わせて2点目のゴール。今年の東福岡はセットプレーで強さを発揮してきたが、大型選手の存在に加えて末永のキック精度とそれを操るための繊細な判断が欠かせない。この日は相手GKがゴールマウスからあまり出てこないことを確認。そのため、GKの前に速いボールを入れたり、柔らかいボールを入れたりして揺さぶった。

 そして後半に自らの足から2得点。この日はセットプレー以外のでキックについて「しっくりくるキックができなかった。芝の下の土が柔らかくて蹴り辛かったです」と首を振ったが、それでも夏の全国王者を勝利へ導くキックだった。「キックというのはアピールできるところ。アピールしながら最終的にチームが勝てるようにしたい」。夏の全国総体決勝では1-1の延長前半に自らのインターセプトから約50mの超ロングシュートを決めて会場をどよめかせた。チームを日本一へ導いたSBは、選手権でもそのキックで多くのゴールと白星をもたらす。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
【特設】高校選手権2014

TOP