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[選手権]PK戦で窮地からの大逆転! 日大藤沢が徳島市立に競り勝つ

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[12.31 全国高校選手権1回戦 日大藤沢高 2-2(PK4-3) 徳島市立高 ニッパ球]

 第93回全国高校サッカー選手権大会は31日、1回戦を各地で行った。ニッパツ三ツ沢球技場の第1試合では、7年ぶり4度目の出場となる日大藤沢高(神奈川)と2大会連続14度目の出場となった徳島市立高(徳島)が対戦した。試合は2-2でPK戦にもつれると、日大藤沢高は3人目、4人目が連続失敗して一度は窮地に立たされる。それでも、そこから見事に逆転してPK戦を4-3で制し、2回戦に駒を進めている。

 立ち上がりは、ホームの雰囲気の中で戦う日大藤沢が主導権を握る。前半3分には左サイドからクロスを入れると、ゴール前のこぼれ球をFW前田マイケル純(3年)がシュート。しかし、これはDFにブロックされた。その後も、日大藤沢は11分に決定機をつくる。FW田場ディエゴ(3年)のプレッシングからゴール前に走り込んだMF大野樹(2年)に絶好のチャンスが来るが、右足のシュートは左へと逸れて行った。

 徳島市立も15分、田場のドリブルを中盤で止めるとこぼれ球にMF中峯正博(3年)が反応。日大藤沢のDFとGKの間に落ちたボールにいち早く追い付き、ファーストタッチでボールを高く浮かせる。ゴール方向に飛んで行ったボールは、しかし、クロスバーに嫌われて得点を挙げられない。

 その後、試合はやや膠着するが、その中でも日大藤沢は前半26分にCKからDF小野寺健也(2年)のヘディングシュートというチームの武器を示す。徳島市立も相手の中盤でのパスミスに乗じてゴール前まで何度か攻め込むが、フィニッシュには持ち込めない。39分には徳島市立もCKをDF奥田雄大(2年)がヘッドで合わせたが、枠を捉えられなかった。前半はスコアレスで折り返した。

 後半開始と同時に日大藤沢は大野を下げて、MF佐藤拓(2年)をピッチに送り出す。しかし、これが問題となる。後半最初のチャンスは徳島市立がつくった。4分、相手の最終ラインからボールを奪ったFW福住卓磨(3年)がドリブルを仕掛けてシュートする。しかし、小野寺のカバーに遭い、シュートはブロックされる。

 ここで第4審判が主審と話し合い、日大藤沢の選手交代に不備があったとして、佐藤は一度ピッチ外に行くように命じられる。そのCKからだった。ゴール前でDFがクリアーしたボールをFW郡紘平(1年)がボレーでゴールに突き刺し、1点を先制した。

 日大藤沢は直後に佐藤の交代が認められたが、勝手にピッチに立っていた佐藤には警告が示された。11人に戻った日大藤沢は、すぐに反撃に出る。PA内で田場がドリブルを仕掛ける。そこからのシュートはブロックされたが、こぼれ球を回収したMF中村恒貴(3年)がPA内で倒されてPKを獲得。これを中村が自ら決めて、試合を振り出しに戻した。

 追い付いた日大藤沢は、後半14分に2枚目のカードを切り、MF栗林大地(3年)を投入する。同20分には田場のドリブルが潰されたところでボールを拾った栗林が決定的な場面を迎えたが、シュートはGK下村冬威(3年)が体を張って防いだ。それでも同31分、日大藤沢は、中盤でボールを受けた田場がPA内までボールを持ち込み、DFを抜き切らずに右足でシュート。これが決まって逆転に成功する。

 試合終盤、徳島はDF辻拓也(3年)を最前線に上げてパワープレーに出る。すると同39分にはPA内で福住が倒されてPKを獲得する。これを中峯が決めて、再び同点に追い付いた。日大藤沢はアディショナルタイム直前に4人目の交代でPK戦に備えて、GK鈴木孔明(3年)に代えて、GK小菅を送り出す。6分間のアディショナルタイムでも得点は決まらずに、試合の行方はPK戦に委ねられた。

 先攻の日大藤沢は3人目のMF西尾隼秀、4人目の小野寺が連続で失敗してしまう。徳島市立に残り2本のうち、1本でも決められると敗退となったが、徳島も4人目の奥田、5人目の福住が外してしまう。これで流れは日大藤沢へ。サドンデス1本目をMF田中翔太(3年)が決めると、徳島市立のMF岸田大世(2年)のシュートをGK小菅がストップし、日大藤沢が逆転勝利。勝利した日大藤沢は1月2日の2回戦で、高川学園(山口)と対戦する。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 河合拓)
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