[選手権]静岡学園が脅威の6発完勝、佐賀東高を寄せ付けず「非常に良い出来」であす東福岡戦へ
[1.2 全国高校選手権2回戦 静岡学園高 6-0 佐賀東高 ギオンス]
第93回全国高校サッカー選手権2回戦が2日に各地で行われた。神奈川・相模原ギオンスタジアムの第2試合では、静岡学園高(静岡)と佐賀東高(佐賀)が対戦。静岡学園高が6-0の完封勝利で3回戦進出を果たした。あす3日に行われる3回戦で静岡学園高は総体王者・東福岡高(福岡)と戦う。
圧巻の勝利だった。試合後、静岡学園高の川口修監督は「初戦の戦い方、入り方としては非常に良い出来だった」と振り返った。前半27分にPKで先制すると、4分間で3ゴール。3-0で迎えた後半にも3点を追加し、圧勝した。今季の静岡学園高について、指揮官は「技術的には(例年よりも)かなり落ちる。でも特徴は真面目に謙虚に守備をしながら、ひとつのチャンスをものにする」と話す。この日の静岡学園はこの言葉を体現しただけでなく、課題だった決定力不足も解消する結果。「課題の決定力も今日は6点も取れて出来すぎというくらい」。川口監督は笑顔をみせた。
立ち上がりから、流れに乗ったわけではなかった。静岡学園高のDF石渡旭(3年)主将が「点が入るまでは耐えようと話していた。最初のピンチの場面で山ノ井が防いでくれたので。そこからPKで点を取れていい流れになったと思う」と振り返ったように、立ち上がりこそピンチの場面はあった。それでもGK山ノ井拓己(1年)が冷静にストップ。するとその後は地に足を着けた戦いをみせた。
まずは前半27分、MF名古新太郎(3年)のドリブル突破からPKを獲得。自らキッカーを務めた名古は、大きく踏み込むと、ゴール正面へループ気味のやわらかなシュートを決めた。GKが左に大きく跳んだのをあざ笑うかのような一撃。大舞台でみせた2年生の鮮やかなゴールで静岡学園が先制に成功した。
さらに1分後には追加点。PA左でMF旗手怜央(2年)が仕掛け、スピードあるボールを中央へ折り返す。逆サイドでゴール前へ詰めていたMF薩川淳貴(2年)が右足ダイレクトで押し込んだ。2-0と差を広げた。静岡学園の勢いは止まらない。前半30分には早くも3点目。左CKから名古が蹴りこんだボール。ニアサイドで味方に当たると、こぼれたボールを拾ったDF光澤和人(3年)が左足でグラウンダー気味のシュートを逆サイドネットへ突き刺した。3-0で前半を折り返す。
その後も攻め手を緩めない静岡学園。すると後半13分には4点目。PA左からMF後藤真(3年)が仕掛けると、横パスを受けた旗手がドリブルで持ち込み、切り返しから右足シュートを突き刺した。同21分には光澤が左足首を痛めて交代するアクシデントに見舞われるも、静岡学園の勢いは止まらない。
後半29分には5点目の奪取に成功。後藤が右足で蹴りこんだ左CK、ニアサイドへ飛び込んだ途中出場のMF石井琢巳(3年)が左足ダイレクトで鮮やかなシュートを沈めた。今季の公式戦でセットプレーからの得点は、わずか1点だという静岡学園高だが、この日はセットプレーから2点得点。指揮官は「全国でセットプレーから2点も取れた。課題だったので嬉しかった」とこのゴールを喜んだ。
その後も前線からボールを追い続ける静岡学園は、佐賀東を寄せ付けず。後半35分には6点目。FW加納澪(2年)が左サイドから角度のない位置までドリブルで持ち込むと、最後は途中出場のMF荒井大(2年)が右足シュートを決めた。そのまま試合は終了。静岡学園が6-0の完勝を果たした。
6人がゴールを奪っての6発完勝。指揮官は「特定の選手が点を取るのではなく、どこからでも点を取るというのが本来の“学園”のスタイル。今日は6人の違う選手が点を取って、学園の良さが出せた」と納得の表情を浮かべた。
次戦の相手は優勝候補筆頭の東福岡高だ。これまで対戦相手のスカウティングビデオを見てきていないという静岡学園。石渡主将は大一番へ向けて、「観たいけど観ないですね」と笑い、「ここで勝てれば実力が証明される。自分たちはそんな先のことを考えるほどの実力はないので。まずは1試合1試合を頑張りたい」と力を込めた。
左足首を痛めて負傷交代した光澤の出場は、現時点では不透明だ。指揮官は東福岡戦へ「強いのはわかっているので。あのスター軍団を倒し、あそこで勝ちきるとサッカーは面白い」とニヤリ。「フィジカルは全くかなわないと思っているので逆の発想で。空中戦や球際の勝負ではなく、個の勝負になる。個で相手を上回るという発想ですね。ボールを持ったら仕掛ける?そうですね、それしかないです」とキッパリ言い、「明日も泥臭くやります」と意気込んだ。
(取材・文 片岡涼)
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
▼関連リンク
【特設】高校選手権2014
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2014
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圧巻の勝利だった。試合後、静岡学園高の川口修監督は「初戦の戦い方、入り方としては非常に良い出来だった」と振り返った。前半27分にPKで先制すると、4分間で3ゴール。3-0で迎えた後半にも3点を追加し、圧勝した。今季の静岡学園高について、指揮官は「技術的には(例年よりも)かなり落ちる。でも特徴は真面目に謙虚に守備をしながら、ひとつのチャンスをものにする」と話す。この日の静岡学園はこの言葉を体現しただけでなく、課題だった決定力不足も解消する結果。「課題の決定力も今日は6点も取れて出来すぎというくらい」。川口監督は笑顔をみせた。
立ち上がりから、流れに乗ったわけではなかった。静岡学園高のDF石渡旭(3年)主将が「点が入るまでは耐えようと話していた。最初のピンチの場面で山ノ井が防いでくれたので。そこからPKで点を取れていい流れになったと思う」と振り返ったように、立ち上がりこそピンチの場面はあった。それでもGK山ノ井拓己(1年)が冷静にストップ。するとその後は地に足を着けた戦いをみせた。
まずは前半27分、MF名古新太郎(3年)のドリブル突破からPKを獲得。自らキッカーを務めた名古は、大きく踏み込むと、ゴール正面へループ気味のやわらかなシュートを決めた。GKが左に大きく跳んだのをあざ笑うかのような一撃。大舞台でみせた2年生の鮮やかなゴールで静岡学園が先制に成功した。
さらに1分後には追加点。PA左でMF旗手怜央(2年)が仕掛け、スピードあるボールを中央へ折り返す。逆サイドでゴール前へ詰めていたMF薩川淳貴(2年)が右足ダイレクトで押し込んだ。2-0と差を広げた。静岡学園の勢いは止まらない。前半30分には早くも3点目。左CKから名古が蹴りこんだボール。ニアサイドで味方に当たると、こぼれたボールを拾ったDF光澤和人(3年)が左足でグラウンダー気味のシュートを逆サイドネットへ突き刺した。3-0で前半を折り返す。
その後も攻め手を緩めない静岡学園。すると後半13分には4点目。PA左からMF後藤真(3年)が仕掛けると、横パスを受けた旗手がドリブルで持ち込み、切り返しから右足シュートを突き刺した。同21分には光澤が左足首を痛めて交代するアクシデントに見舞われるも、静岡学園の勢いは止まらない。
後半29分には5点目の奪取に成功。後藤が右足で蹴りこんだ左CK、ニアサイドへ飛び込んだ途中出場のMF石井琢巳(3年)が左足ダイレクトで鮮やかなシュートを沈めた。今季の公式戦でセットプレーからの得点は、わずか1点だという静岡学園高だが、この日はセットプレーから2点得点。指揮官は「全国でセットプレーから2点も取れた。課題だったので嬉しかった」とこのゴールを喜んだ。
その後も前線からボールを追い続ける静岡学園は、佐賀東を寄せ付けず。後半35分には6点目。FW加納澪(2年)が左サイドから角度のない位置までドリブルで持ち込むと、最後は途中出場のMF荒井大(2年)が右足シュートを決めた。そのまま試合は終了。静岡学園が6-0の完勝を果たした。
6人がゴールを奪っての6発完勝。指揮官は「特定の選手が点を取るのではなく、どこからでも点を取るというのが本来の“学園”のスタイル。今日は6人の違う選手が点を取って、学園の良さが出せた」と納得の表情を浮かべた。
次戦の相手は優勝候補筆頭の東福岡高だ。これまで対戦相手のスカウティングビデオを見てきていないという静岡学園。石渡主将は大一番へ向けて、「観たいけど観ないですね」と笑い、「ここで勝てれば実力が証明される。自分たちはそんな先のことを考えるほどの実力はないので。まずは1試合1試合を頑張りたい」と力を込めた。
左足首を痛めて負傷交代した光澤の出場は、現時点では不透明だ。指揮官は東福岡戦へ「強いのはわかっているので。あのスター軍団を倒し、あそこで勝ちきるとサッカーは面白い」とニヤリ。「フィジカルは全くかなわないと思っているので逆の発想で。空中戦や球際の勝負ではなく、個の勝負になる。個で相手を上回るという発想ですね。ボールを持ったら仕掛ける?そうですね、それしかないです」とキッパリ言い、「明日も泥臭くやります」と意気込んだ。
(取材・文 片岡涼)
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
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