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[選手権]第1シードの水橋が終了間際の劇的弾で16年ぶり勝利!

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[1.2 全国高校選手権2回戦 水橋高2-1明徳義塾高 フクアリ]

 第93回全国高校サッカー選手権2回戦が2日に行われ、フクダ電子アリーナの第2試合では、第1シードの水橋高(富山)が大会に登場、明徳義塾高(高知)と対戦した。後半、FW北野剣士浪(3年)の得点で水橋が先制すると、すぐさまMF楠拓真(3年)が同点に。PK戦突入かと思われたが、後半アディショナルタイムにMF佐藤圭介(3年)が勝ち越し点を挙げ、水橋が16年ぶりに選手権で白星を挙げた。

 両校のスターティングメンバーは好対照となった。4年ぶり6回目の出場となる水橋は、全員が3年生。対する4年ぶり5回目の出場となる明徳義塾は、先発のうち3年生がわずか3人で、1年生が5人を占めた。明徳義塾の選手が「あっという間だった」という最初の40分、「思った以上に緊張があった」(小松晃監督)若きイレブンはシュート1本に終わる。水橋の上田裕次監督は「サッカーができている」と手応えを感じていた前半だったが、MF水原和輝(3年)のシュートのみで、スコアレスのまま後半に突入する。

 開始3分でスコアは動く。キャプテンマークを巻くMF吉松和貴(3年)の右クロスを北野が右足で狙う。GKに当たってこぼれたところを、北野が今度は左足でシュートを放つと、ついにネットを揺らす。「自分の先制点でチームを活気づけたいと思っていた」という1トップ北野の活躍で、水橋が先制に成功した。

 ところが若き明徳義塾は失点してもすぐに立て直す。後半6分、右サイドからMF禹滉允(2年)が斜めに入れたクロスに、DFの前に入り込んだ楠が頭で合わせると、1-1の同点となる。「チャレンジしたことが得点につながった」。失点からわずか3分後のゴールに、小松監督も目を細めた。

 残り時間が少なくなるにつれ、とにかく前へ前へと、ハーフラインをボールがせわしなく行き交う展開となるも、ミスが続いてチャンスらしいチャンスは生まれない。そんな中、試合を決めたのは水橋MF吉川育良(3年)の個人技だった。左サイドでDFを1人かわしてPAに侵入すると、GKも引きつけたところでゴール中央にボールを浮かせる。「ゴールにパスをするだけだった」。佐藤は無人のゴールに押し込み、後半アディショナルタイムに突入した41分に決勝点が生まれると、間もなく試合終了の笛がなった。

「79分間は80点、最後の1分は20点」。明徳義塾の指揮官は、奮闘しながらも最後の最後で力尽きた試合展開を悔やんだ。

 勝利した水橋は、3日の3回戦で流通経済大柏高(千葉)と戦う。「体格も大きいですし、球際もすごい強いですけど、自分たちも体を張ってジャイアントキリングしたい」。北野は優勝候補撃破を力強く宣言していた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 奥山典幸)
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